一般的に、業務委託契約書は、民法上の
請負契約か
委任契約(準委任契約)かに分類されます。
また、複雑なビジネスモデルでは、これら両方が混じった混合契約の場合もあります。
請負契約の最大の特徴は、「仕事の完成」という「結果」に対する責任を負う、という点です。
つまり、受注者は結果責任を問われる、ということです。
また、完成した仕事については、当然ながら、ミスがないようにしなければなりません。
仕事にミスがあった場合は、受注者は、そのミスを修補したり、損害の賠償をしなければなりませ。
このような責任を、「瑕疵担保責任」といいます(民法634条)。
委任契約の最大の特徴は、「法律行為」や「法律行為でない事務」のような、一定の行為について責任を負う、という点です。
つまり、行為という過程について責任が問われる、ということです。
具体的には、「善良な管理者の注意義務」(以下、「善管注意義務」とします。)を負います(民法第644条)。
善管注意義務とは、受託者側の地位、職業などかに応じて、客観的に期待・要求されるレベルの責任を果たすべき義務ということです。
業務委託契約においては、ビジネス上の契約である以上、その道のプロとしての一般的なレベルの責任を求められる、ということです。
請負契約と委任契約の違いの最大のポイントは、どのような責任を問われるか、ということです。
上述のように、請負契約は、仕事という結果に対して責任を問われます。
このため、仕事という結果に欠陥があれば、その責任を問われることになり、委託者から、欠陥の修繕や損害の賠償を求められます。
これに対して、委任契約は、行為という過程に対して責任を問われます。
このため、業務内容としての行為をおこなうにあたって、善管注意義務を果たしているかどうかという責任が問われます。
つまり、言い換えると、善管注意義務さえ果たしていれば、その結果として委託者の意に沿わないことになったとしても、責任は問われない、ということです。
ただし、これはあくまで一般的な委任契約の場合ですから、契約書によって、いろいろと変更は可能です。
このように、請負契約は結果について責任が問われ、委任契約は過程について責任が問われますから、一般的には、請負契約よりも委任契約のほうが責任が軽いと言えます。
ただ、これは業務内容によって異なりますので、一概にどちらの責任が軽いとは言い切れません。
契約内容について、請負によるものと委任によるものと、どちらにでもできる契約(ソフトウェア開発委託契約など)の場合は、業務内容を慎重に検討したうえで、請負・委任のどちらの契約形態にするかを決定するべきです。
なお、請負・委任の別がハッキリしないような契約内容であれば、トラブルになった場合に備えて、請負形態なのか、または委任形態なのかを契約書に明記しておきます。