「月末締めの翌月末払い」の支払期日・支払期限は違法でしょうか?
いわゆる「月末締めの翌月末払い」は、締切り計算のベースが納入や役務の提供ベースであれば、違法でありません。他方で、締切り計算のベースが検査合格(いわゆる「検収」が検査合格である場合を含む)である場合は、下請法やフリーランス保護法に違反し、違法となる可能性もあります。

いわゆる「月末締めの翌月末払い」は、締切計算のベースにによって、適法な場合と違法な場合があります。

納入・納品・役務提供などを基準で締切って計算する場合は、原則として違法にはなりません。

他方で、検査合格を基準で締切って計算する場合において、検査合格までの期間が長く、納入・納品・役務提供の日の月末から起算して60日(2ヶ月)を超えた支払期限・支払期日となるときは、違法となる可能性もあります。

つまり、納入・納品・役務提供の日から極端に遅い支払期限・支払期日を設定した場合は、違法になる可能性がある、ということです。

具体的には、下請法やフリーランス保護法の60日ルールに抵触する可能性があります。

【意味・定義】60日ルール(下請法)とは?

60日ルールとは、下請法が適用される業務委託契約における支払代金の支払期日について、検査の有無にかかわらず、親事業者が下請事業者からの給付を受領した日・役務の提供を受けた日(初日を算入する)から起算して60日以内を最長とするルールをいう。

【意味・定義】60日ルール(フリーランス保護法)とは?

60日ルールとは、フリーランス保護法が適用される業務委託契約における支払代金の支払期日について、検査の有無にかかわらず、発注事業者(特定業務委託事業者)がフリーランス(特定受託事業者)からの給付を受領した日・役務の提供を受けた日(初日を算入する)から起算して60日以内を最長とするルールをいう。

なお、下請法の60日ルールにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法の「60日ルール」とは?例外やいつから数えるのか等について解説

フリーランス保護法の60日ルールにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

フリーランス新法(保護法)の「60日ルール」=報酬の支払期日の規制と例外とは?

なお、「月末締めの翌月末払い」の詳細な解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

「月末締め翌月末払い」の正しい契約書の書き方は?正確の規定のしかたについて解説

まとめ
  • 「月末締めの翌月末払い」は、締切計算のベースにによって、適法な場合と違法な場合がある。
  • 納入・納品・役務提供などを基準で締切って計算する場合は、原則として違法にはならない。
  • 検査合格を基準で締切って計算する場合は、納入・納品・役務提供の日から極端に遅くなるときは、違法になることもある。