こんにちは。契約書作成専門・小山内行政書士事務所代表の小山内です。

このページでは、業務委託契約の契約条項のうち、報酬・料金・委託料の支払期限・支払期日の条項について、簡単にわかりやすく解説しています。

報酬・料金・委託料の支払期限の規定は、大きく分けて、日付を数字で規定する方法と、計算方法を規定する方法があります。

業務委託契約書では、委託者と受託者の間で、報酬・料金・委託料の支払期限・支払期日に誤解が生じないように、できるだけ年月日を特定した日付で明記します。

重要なことは、日付であれ、計算方法であれ、契約当事者で支払期限・支払期日そのものの解釈が一致するように規定することです。

また、継続的業務委託契約における、いわゆる「締め」という表現は、契約当事者間に解釈の違いが生じる可能性がありますので、注意を要します。

なお、下請法が適用される業務委託契約の場合は、支払期限・支払期日に大きな制約があります。

この点については、親事業者=委託者は、特に注意が必要です。

このページでは、こうした報酬・料金・委託料の支払期限・支払期日のポイントについて、解説します。

なお、業務委託契約の定義と基本的な解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約書とは?その定義とポイントを簡単にわかりやすく解説

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【意味・定義】「支払期限」「支払期日」とは?

支払期限と支払期日は微妙に意味が違う

はじめに、用語について説明しておきます。

報酬・料金・委託料を支払う日のことを、「支払期限」や「支払期日」といいます。

これらは、若干意味が異なる用語で、それぞれ、次の意味になります。

支払期限・支払期日の定義

  • 「支払期限」とは、支払いの期限、つまり、金銭債権の債務者が債権者に対して、支払いの義務を負う「期限」のことをいう、
  • 「支払期日」とは、支払いの期日、つまり、金銭債権の債務者が債権者に対して、支払いの義務を負う「特定の期日」のことをいう。

つまり、支払期限は「この日”まで”に支払う義務」を定めたものであり、支払期日は「この日に支払う義務」を定めたものです。

ただ、この違いは、実質的にはほとんど意味がないため、契約用語としては、支払期限・支払期日のどちらを使ってもかまいません。

支払期限・支払期日のどちらでもいい

支払期限よりも前に支払いがあった場合、当然契約違反にはなりませんが、支払期日よりも前に支払いがあった場合は、理屈のうえでは契約違反となります。

もっとも、支払期限よりも前に支払いがあったとしても、債権者=お金を受取る側としては、実害がありませんので、問題となりません。

このページでは、これ以降、特に言及がない限り、支払期限に統一して使用していきます。

なお、同様の話として、「納入期限」と「納入期日」がありますが、これは大きな違いがあり、非常に重要な点となります。

「納入期限」「納入期日」など、いわゆる「納期」については、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約の納期(納入期限・納入期日)・作業期間とは?条項の規定のしかた・書き方・作り方は?

ポイント

  • 支払期限と支払期日では微妙に意味が違う。
  • ただし、契約実務上は支払期限・支払期日のどちらでもいい。

支払期限の規定のしかたは2種類

支払期限の規定のしかたは、大きく分けて、日付方式と計算方式があります。

日付方式・計算方式

  • 日付方式:特定の日付・年月日で支払期限を規定する、絶対的記載方式。
  • 計算方式:何らかの計算、主に特定の時点(起算点)から日または週で計算して経過した日で支払期限を規定する、相対的記載方式。

このほか、「毎月◯日」のような規定のしかたや、「毎月第4金曜日」のような規定のしかたもあります。

【日付方式】支払期限は日付・年月日を明記する

誤解がないように特定の日付・年月日を記載する

日付方式は、具体的な特定の日付・年月日で支払期限を指定します。

報酬・料金・委託料の支払期限は、委託者・受託者双方にとって、極めて重要な条項です。

支払期限の解釈のズレは、実際の支払いの日がズレることを意味します。

特に、金額が大きな業務委託契約では、支払いの日がズレると、委託者・受託者双方の資金繰りに重大な影響を与える可能性があります。

このため、業務委託契約では、できるだけ日付方式で特定の日付・年月日で支払期限を設定し、契約当事者双方に誤解が生じないようにするべきです。

前払い・後払いいずれも対応可能

日付方式による支払期限は、前払いの場合でも、後払いの場合でも対応できます。

また、委託者としては、後払いで特定の日付・年月日を支払期限とした場合、受託者の業務の実施がないこと=債務不履行(例えば納入がない場合)について懸念があるかもしれません。

この場合は、委託者と受託者は、「同時履行」の関係となり、受託者による債務不履行があったときは、委託者は、支払期限が到来したとしても、報酬・料金・委託料の支払いを留保できます。

民法第533条(同時履行の抗弁)

双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

毎月の日にちを指定する支払期限も可能

継続的業務委託契約では毎月1回の支払いもある

ただ、必ずしもすべての業務委託契約において、支払期限を日付で特定できるとは限りません。

特に、継続的な業務委託契約の場合は、定期的な報酬・料金の支払いとなることが多いです。

具体的には、例えば、毎月1回の支払いとしています。

このような場合は、「毎月25日」、「毎月末日」、「毎月第4金曜日」のように、日にちだけでも特定できるように規定します。

なお、2月は28日(うるう年で29日)しかありませんので、日にちで指定する場合は、通常は毎月28日か毎月27日(忙しい月末=28日を避けるため)とします。

継続的な業務委託契約は銀行営業日に要注意

なお、このように月1回の支払期限を設定する場合、銀行の営業日に注意してください。

支払方法を銀行振込としている場合、銀行が営業していないと、支払ができません。

業務委託契約の報酬・料金・委託料の支払方法とは?条項の規定のしかた・書き方・作り方は?

例えば「毎月末日」を支払期限とした場合、必ずしも毎月末日が銀行営業日とは限りません。

ある月の末日に銀行が休業日であった場合に、支払いを済ませていないときは、委託者は、契約違反となります。

銀行の営業日について特約を規定する

このため、委託者としては、業務委託契約において、支払期限が銀行の休業日だった場合に、支払いを順延できるような特約を規定しておくべきです。

記載例・書き方

第○条(支払期限)

委託者から受託者に対する報酬の支払期限は、毎月末日(当該日が銀行の休業日に該当する場合は、その後の最初の営業日)とする。

(※便宜上、表現は簡略化しています)

こうした支払期限の順延の特約を規定しておくことで、支払期限に銀行が休業日だったとしても、契約違反とはなりません。

なお、この方法は、下請法で認められてた方法です(書面での合意は必須です)。

もっとも、この場合の順延は、最長でも2日とされています(後で詳しく触れます)。

ポイント

  • 日付方式で特定の日付・年月日を支払期限とした場合、誤解がない。
  • 毎月特定の日付を支払期限とすることもできる。
  • この場合、業務委託契約で銀行休業日の場合における支払期限の順延について合意しておく。

【計算方式】支払期限は誤解がないようにする

計算による支払期限は起算点を明らかにする

計算方式では、何かの条件を満たした時点を起算点として、その起算点から◯日後、◯週間後、あるいは翌月◯日のように支払期限を設定します。

多くの業務委託契約の場合、起算点は、次のいずれかになります。

計算方式の支払期限の起算日

  • 納入日
  • 業務実施日(1日だけの業務委託契約の場合)
  • 業務完了日(数日間の業務委託契約の場合)
  • 検査合格日

そして、具体的な書き方としては、「納入があった日から起算して7日以内」や「検査完了の日から起算して7日以内」のように規定します。

あるいは、「納入があった日の属する月の翌々月末日」や「検査完了の日の属する月の翌月末日」のように規定します。

起算点を明確にする手続きが重要

この場合、「納入があった日」や「検査合格の日」の日付が特定される手続きを規定しておかないと、支払期限が特定されません。

一般的には、例えば納入日については、製品・成果物などに関する受領証書、検査合格日については、検査済証や合格証書などが、これらの日付を特定する根拠となります

このため、納入の規定や、検査の既定では、こうした証書の発行手続きを明記する必要があります。

業務委託契約の納期(納入期限・納入期日)・作業期間とは?条項の規定のしかた・書き方・作り方は?

業務委託契約の検査期間・検査期限と検査手続きとは?条項の規定のしかた・書き方・作り方は?

なお、受託者は、民法第486条により、こうした証書の交付を請求できます。

民法第486条(受領証書の交付請求)

弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。

このため、委託者は、製造請負契約に規定がないことを理由に、こうした証書の交付を拒否できません。

検査合格日が支払期限の起算点の場合は受託者にとって不利

なお、検査の合格日が支払期限の起算点の場合、実質的には、「検査の合格」という条件が設定されている、といえます。

つまり、純粋な意味での支払期限の設定ではなく、条件付きの支払期限の設定ということです。

このような規定は、検査の合格がないと支払いもないため、受託者にとっては、非常に不利な内容といえます。

このため、こうした検査の合格が支払いの条件となっている規定は、下請法では禁止されています(後で詳しく触れます)。

「◯◯から◯日後」は誤解・トラブルの原因

【意味・定義】初日不算入の原則とは?

例えば、「納入があった日から起算して10日後」という支払期限だった場合に、4月30日に納入があったときは、何日が支払期限でしょうか?

答えは、5月10日です。5月9日ではありません。

民法には、「初日不算入の原則」という原則があります(民法第140条)。

民法第140条(初日不算入の原則)

日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

初日不算入の原則の定義

初日不算入の原則とは、日、週、月または年によって期間を定めた場合、期間の初日は算入しない、という原則をいう。

上記の例では、5月10日が支払期限となるのは、実際に納入があった日=4月30日を算入せす、5月1日から計算するからです。

初日不算入の原則を知らない場合はトラブルになる

契約当事者双方が、このような民法上の計算の原則を知っていないと、支払期限を誤解する場合があります。

例えば、上記の例のような場合、受託者が支払期限が5月9日であると誤解する可能性があります。

そのうえで、受託者が5月9日の入金をアテにした資金繰りをしていた場合は、5月9日に入金がなければ、当然トラブルとなります。

もちろん、委託者、正確な支払期限である5月10日までに支払いをすればいいわけですから、委託者の側にはなんら責任はありません。

しかしながら、こうした無用のトラブルを避けるためにも、支払期限は、できるだけ特定の日付・年月日で明記したほうがいいです。

ポイント

  • 特定の日を起算点として計算する支払期限は、誤解の原因になりやすい。
  • 一般的な業務委託契約では、納入日または検査合格日を起算点とする。
  • この場合、納入日・検査合格日を明らかにする納入・検査の手続きが重要となる。
  • 検査合格日が支払期限の起算点の場合は、検査合格が条件となるため、受託者にとって不利。
  • 「◯◯から◯日後」は、「初日不算入の原則」の理解によっては、誤解・トラブルの原因。
  • 初日不算入の原則とは、日、週、月または年によって期間を定めた場合、期間の初日は算入しない、という原則。

締切計算は安易に使ってはいけない

「月末締め翌月末払い」の問題点

報酬・料金・委託料の計算方法の記載として、よくありがちなものに、「月末締め翌月末払い」があります。

記載例・書き方

第○条(委託料の計算)

本件製品の委託料の計算は、月末締め翌月末払いとする。

「これのどこが問題なの?」と思われるかもしれませんが、実は、これは、非常に問題のある書き方です。

というのも、例えば、次のような製造請負契約を想定してみましょう。

製造請負契約の具体例

  • 発注日:5月31日
  • 受注日:6月10日
  • 製品の納入日:7月31日
  • 製品の検査合格日:8月10日

このような取引の場合、「月末締め翌月末払い」では、いつの時点が支払期限になるのでしょうか?

締切計算の場合は「何について締切るのか」が重要

「月末締め翌月末払い」という記載では、「何について締切るのか」が規定されていません。

このため、上記の例では、次のとおり、4種類の解釈ができます。

「月末締め翌月末払い」の解釈

  • 発注日で締切る場合:6月30日が支払期限
  • 受注日で締切る場合:7月31日が支払期限
  • 製品の納入で締切る場合:8月31日が支払期限
  • 製品の検査合格で締切る場合:9月30日が支払期限

このように、解釈によっては、支払期限に4ヶ月の開きがあります。

このため、締切計算をする際には、「何について締切るのか」を明記します。

なお、下請法が適用される業務委託契約の場合は、遅くとも納入で締切る必要があります。

ポイント

  • 「月末締め翌月末払い」だけでは支払期限は確定しない。
  • 締切計算の場合は「何について締切るのか」が重要。

委託者は下請法違反に注意

下請法が適用される業務委託契約とは?

下請法が適用される業務委託契約では、支払期日があまりにも長期にならないように、一定の制限がかかっています。

下請法そのものにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法とは?中小零細企業・個人事業者・フリーランスの味方の法律

また、下請法が適用される業務委託契約につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法が適用される4つの業務委託契約のパターン

原則として納入日・業務終了日から60日以内

下請法が適用される業務委託契約の場合、支払期日は、次のように制限されています。

下請法第2条の2(下請代金の支払期日)

1 下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して、60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

2 下請代金の支払期日が定められなかつたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して60日を経過した日の前日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。

下請法による支払期日の制限

下請法が適用される業務委託契約における支払期日は、検査の有無にかかわらず、下請事業者の給付を受領した日、つまり納入があった日または業務が終了した日から起算して60日以内が最長。

このため、下請法が適用される業務委託契約では、すでに触れたような、検査合格日を起算点とした支払期日は、下請法第2条の2第2項により、納入日・業務終了日から60日を経過した日の前日となります。

【60日ルールの特例1】締切計算の場合

締切計算で支払期日を設定する場合、支払期日を翌々月以降にしたときは、支払遅延に該当します(ただし、後述のとおり、役務提供委託の支払期日には例外があります)。

● 支払制度

(途中省略)…継続的な取引の実態としては,例えば,毎月末までの給付の下請代金を翌月末に支払うこと(月末締の翌月末払)となっていることがあるので,本法の運用に当たり,「受領後 60 日以内」の規定は「受領後2か月(大の月(31 日),小の月(30 日)を問わない。)以内」として運用している。このような1か月締切制度を採っている場合は,締切後 30 日(1か月)以内に支払わなければならないということになるので,例えば,納品を月末締めとする場合には,翌月末までに下請代金を支払えば支払遅延には該当しないが,翌々月以降に支払う場合には支払遅延に該当する。(以下省略)

【60日ルールの特例2】やり直しの場合

支払期日の到来の前に、下請事業者の給付に瑕疵が発見された場合、委託者=親事業者は、当初の支払期日ではなく、やり直し後の受領日から60日以内に支払えばよいとされています。

● やり直しをさせた場合の支払期日の起算日

下請事業者の給付に瑕疵があるなど,下請事業者の責めに帰すべき理由があり,下請代金の支払前(受領後 60 日以内)にやり直しをさせる場合には,やり直しをさせた後の物品等を受領した日が支払期日の起算日となる(下請事業者の責めに帰すべき理由があるとして,やり直しをさせることができる場合については75ページ参照。)。

Q64: 受領した情報成果物に,下請事業者の責任による瑕疵等が発見され,やり直しが必要な場合にも,当初の受領日から 60 日以内に支払う必要があるか。
A: 支払期日が到来する前に瑕疵等が発見され,やり直しをさせる場合は,当初の受領日から60日以内に下請代金を支払う必要はない。この場合,やり直し後の情報成果物の受領日が支払期日の起算日となる。

【60日ルールの特例3】システム等開発業務委託契約の「受領」の場合

請負型のシステム等開発業務委託契約において、成果物を受領した際、成果物が委託内容の水準に達しているかどうかがわからない場合があります。

この場合、親事業者=委託者=ユーザは、次の一定の条件を満たすことにより、必ずしも支払期日どおりに支払いをする必要はありません。

(3) また,情報成果物作成委託においては,親事業者が作成の過程で,委託内容の確認や今後の作業についての指示等を行うために,情報成果物を一時的に自己の支配下に置くことがある。親事業者が情報成果物を支配下に置いた時点では,当該情報成果物が委託内容の水準に達し得るかどうか明らかではない場合において,あらかじめ親事業者と下請事業者との間で,親事業者が支配下に置いた当該情報成果物が一定の水準を満たしていることを確認した時点で,給付を受領したこととすることを合意している場合には,当該情報成果物を支配下に置いたとしても直ちに「受領」したものとは取り扱わず,支配下に置いた日を「支払期日」の起算日とはしない。ただし,3条書面に明記された納期日において,親事業者の支配下にあれば,内容の確認が終わっているかどうかを問わず,当該期日に給付を受領したものとして,「支払期日」の起算日とする。

これをわかりやすくまとめると、次のとおりです。

システム等開発業務委託契約の支払期日の起算日・受領日

  • 注文品(=成果物)が委託内容の水準に達しているかどうか明らかではない場合
  • あらかじめ親事業者と下請事業者との間で、親事業者の支配下に置いた注文品の内容が一定の水準を満たしていることを確認した時点で受領とすることを合意している場合
  • ―以上の2点を満たしていれば、ユーザは、その確認の時点まで(ただし、最長で三条書面に記載した納期日まで)は、受領を留保することができる。

【60日ルールの特例4】役務提供委託=準委任型の業務委託契約の場合

役務提供委託≒準委任型の業務委託契約の場合、次のとおり、一定の条件を満たせば、「月単位で設定された締切対象期間の末日」を役務提供の日とすることができます。

この場合、親事業者=委託者は、月末に締切り、翌々月末日を支払期日として設定できます。

● 役務提供委託における支払期日の起算日

(ア)(省略)

(イ)…個々の役務が連続して提供される役務の場合には,次の要件を満たせば,月単位で設定された締切対象期間の末日に当該役務が提供されたものとする。

①  下請代金の支払は,下請事業者と協議の上,月単位で設定される締切対象期間の末日までに提供した役務に対して行われることがあらかじめ合意され,その旨が3条書面に明記されていること。 (例:支払期日欄に「毎月○日締切,翌月(翌々月)○日支払」と記載する。)

②  3条書面に,当該期間の下請代金の額(算定方法も可)が明記されていること。

③  下請事業者が,連続して提供する役務が同種のものであること。

したがって,この場合には,締切後 60 日(2か月)以内に下請代金を支払うことが認められる。

なお,個々の役務が連続して提供される期間が1か月未満の役務提供委託の場合には,当該期間の末日に役務が提供されたものとする。

なお、準委任型の業務委託契約につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

委任契約・準委任契約とは?―(準)委任型の業務委託契約のポイント・当事者の権利義務を解説

【60日ルールの特例5】金融機関の休業日

すでに触れたとおり、支払期日が銀行等の金融機関の休業日に該当する場合、次のとおり、一定の条件を満たすことで、2日以内に限り、支払期日を順延できます。

● 金融機関の休業日

下請代金を毎月の特定日に金融機関を利用して支払うこととしている場合に,当該支払日が金融機関の休業日に当たってしまうことがある。このような場合,支払日が土曜日又は日曜日に当たるなど順延する期間が2日以内である場合であって,親事業者と下請事業者との間で支払日を金融機関の翌営業日に順延することについてあらかじめ合意・書面化されている場合には,結果として受領から 60 日(2か月)を超えて下請代金が支払われても問題はない。

なお,順延後の支払期日が受領から 60 日(2か月)以内となる場合には,下請事業者との間であらかじめその旨合意・書面化されていれば,金融機関の休業日による順延期間が2日を超えても問題はない。/p<>

つまり、通常の土日だけの休業日であれば、支払日が結果的に60日を超えたとしても、下請法違反にならない場合がある、ということです。

また、後半にあるとおり、支払期日が60日(2ヶ月)以内となるのであれば、書面での合意により、2日以上の順延も可能です。

この場合は、年末年始・ゴールデンウィーク・3連休以上の休日などの銀行の休業日であっても、下請法違反となりません。

ポイント

  • 下請法が適用される業務委託契約では、支払期日は、原則として納入日・業務終了日から60日以内。
  • 締切計算で支払期日を設定する場合、支払期日は、翌月末日まで。
  • 支払期日の到来の前に、下請事業者の給付に瑕疵が発見された場合、委託者=親事業者は、当初の支払期日ではなく、やり直し後の受領日から60日以内に支払えばよい。
  • 請負型のシステム等開発業務委託契約において、成果物を受領した際、成果物が委託内容の水準に達しているかどうかがわからない場合、親事業者=委託者=ユーザは、一定の条件を満たすことにより、必ずしも支払期日どおりに支払いをする必要はない。
  • 役務提供委託≒準委任型の業務委託契約の場合、一定の条件を満たせば、「月単位で設定された締切対象期間の末日」を役務提供の日とし、月末締切・翌々月末日を支払期日とすることができる。
  • 支払期日が銀行等の金融機関の休業日に該当する場合、一定の条件を満たすことで、2日以内に限り、支払期日を順延できる。