工事請負とは何ですか?
工事請負とは、建設工事を請負うことです。法律的には、請負人として建設工事請負契約を締結することを意味します。

このページでは、弊所によく寄せられるご質問である、「工事請負」意味や定義について、工事の注文者・請負人に向けて解説しています。

「工事」は、一般的な用語として使われていますが、法律用語としては、主に「建設工事」(建設業法第2条第1項)として使われています。

また、「請負」は、請負契約のことです。

このため、「工事請負」は、建設工事を請負うことを意味します。

このページでは、こうした工事請負の法的な位置づけについて、開業20年・400社以上の取引実績がある管理人が、わかりやすく解説していきます。

このページを読むことで、工事請負や建設工事請負契約の基本について理解できます。




【意味・定義】工事請負とは?

工事請負とは建設工事を請負うこと

工事請負とは、文字どおり、工事を請負うことです。

【意味・定義】工事請負とは?

工事請負とは、工事を請負うことをいう。法律的には、(主に)請負人が建設工事請負契約を締結することを意味する。

工事は、法律上は土木工事と建築工事に分かれていますが、これらを総称して、「建設工事」(建設業法第2条第1項)といいます。

これは、あくまで建設業法にもとづく定義です。

しかしながら、この定義では、あらゆる工事を列挙しているため、工事=建設業法の「建設工事」と考えていいでしょう。

また、「請負」は、民法第632条の請負契約のことです。

【意味・定義】建設工事とは?

「建設工事」は、建設業法に明確に定義づけられていて、29種類あります。

建設業法第2条(定義)

1 この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。

(以下省略)

【意味・定義】建設工事とは?

建設工事とは、土木建築に関する工事のうち、建設業法別表第一の上欄に掲げるものをいう。

 

そして、「別表第一の上欄」とは、次の表の左の列のことです。

29種類の建設工事
建設工事建設業
土木一式工事土木工事業
建築一式工事建築工事業
大工工事大工工事業
左官工事左官工事業
とび・土工・コンクリート工事とび・土工工事業
石工事石工事業
屋根工事屋根工事業
電気工事電気工事業
管工事管工事業
タイル・れんが・ブロツク工事タイル・れんが・ブロツク工事業
鋼構造物工事鋼構造物工事業
鉄筋工事鉄筋工事業
舗装工事舗装工事業
しゆんせつ工事しゆんせつ工事業
板金工事板金工事業
ガラス工事ガラス工事業
塗装工事塗装工事業
防水工事防水工事業
内装仕上工事内装仕上工事業
機械器具設置工事機械器具設置工事業
熱絶縁工事熱絶縁工事業
電気通信工事電気通信工事業
造園工事造園工事業
さく井工事さく井工事業
建具工事建具工事業
水道施設工事水道施設工事業
消防施設工事消防施設工事業
清掃施設工事清掃施設工事業
解体工事解体工事業

このように、およそ「工事」と名前がつくものは、建設業法では建設工事に該当します。

このため、理論上は、この建設業法に規定されてない「工事」は存在し得るかもしれませんが、大半の工事は「建設工事」に該当します。

【意味・定義】請負とは

請負とは、民法第632条の請負契約のことです。

民法第632条(請負)

請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

【意味・定義】請負契約とは?

請負契約とは、請負人(受託者)が仕事の完成を約束し、注文者(委託者)が、その仕事の対価として、報酬を支払うことを約束する契約をいう。

このため、「工事請負」とは、法律的には、(主に請負人が)建設工事の請負契約を請負うことを意味します。




建設工事請負契約とは?

建設工事請負契約は建設業法による規制がある。

このように、工事請負とは、建設工事請負契約を請負うことを意味します。

【意味・定義】建設工事請負契約とは?

建設工事請負契約とは、請負人(受託者)が何らかの建設工事を完成させること約束し、注文者(委託者)が、その建設工事の施工の対価として、報酬を支払うことを約束する契約をいう。

【改正民法対応】建設工事請負契約とは?意味・定義や建設業法の規制について解説

この建設工事請負契約は、建設業法によって、厳しい規制が課されています。

建設業法第19条により契約書の作成義務がある

特に、契約実務においては、建設業法第19条が最も重要な規定となります。

建設業法第19条(建設工事の請負契約の内容)

1 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

(1)工事内容

(2)請負代金の額

(3)工事着手の時期及び工事完成の時期

(4)工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容

(5)請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法

(6)当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め

(7)天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め

(8)価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更

(9)工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め

(10)注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め

(11)注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期

(12)工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法

(13)工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容

(14)各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金

(15)契約に関する紛争の解決方法

(16)その他国土交通省令で定める事項

2(以下省略)

以上のように、建設工事請負契約を締結する場合、書面の交付=契約書の作成・取交しが義務づけられています。

法定記載事項以外にも重要な契約条項もある

また、上記の建設業法第19条の法定記載事項も含めて、建設工事請負契約では、以下のような重要な規定があります。

建設工事請負契約の重要な契約条項
  1. 工事内容
  2. 契約形態
  3. 工事着手の時期および工事完成の時期
  4. 前金払いまたは出来高払いの支払時期・支払方法
  5. 設計変更・工事着手の延期・工事の中止の場合の取扱い
  6. 不可抗力
  7. 物価の変動・変更による請負代金(報酬・料金・委託料)・工事内容の変更
  8. 第三者の損害賠償金の負担
  9. 資材の提供
  10. 機械等の貸与
  11. 検査の時期・方法
  12. 引渡しの時期
  13. 所有権の移転
  14. 請負代金(報酬・料金・委託料)の金額または計算方法
  15. 請負代金(報酬・料金・委託料)の支払の時期
  16. 金銭の支払方法
  17. 瑕疵担保責任
  18. 損害保険
  19. 遅延利息・違約金・その他の損害金
  20. 知的財産権
  21. 再委託・下請負
  22. 秘密保持義務
  23. 契約解除・施工の中止
  24. 紛争解決方法(合意管轄・仲裁)

【改正民法対応】建設工事請負契約書の書き方と24のポイントについて解説




工事請負に関するよくある質問

工事請負とは何ですか?
工事請負とは、建設工事を請負うことです。法律的には、請負人として建設工事請負契約を締結することを意味します。
工事請負にはどのような法規制がありますか?
建設工事請負契約では、建設業法第19条により、以下の項目の記載された建設工事請負契約書を作成しなければなりません。

  • 工事内容
  • 請負代金の額
  • 工事着手の時期及び工事完成の時期
  • 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
  • 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
  • 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
  • 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
  • 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
  • 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
  • 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
  • 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
  • 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  • 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
  • 契約に関する紛争の解決方法
  • その他国土交通省令で定める事項