参考文献
工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第18版]
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『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第18版]』(特許庁、社団法人発明協会、2010年(平成22年))は、工業所有権法(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)の逐条解説がなされた書籍です。
編集者の特許庁は、いうまでもなく、産業財産権(工業所有権)制度を所管する日本の官公署です。また、著者(改定作業者)の方々は、それぞれの法律の担当官と思われます(巻末「『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説第一八版』改定作業担当者名一覧(敬称略)」より)。
本書は、産業財産権法(特許法、実用新案法、意匠法、商標法、その他の産業財産権法)について、各条項ごとに解説がなされています。解説は、内容に応じて、[旧法との関係]、[趣旨]、[字句の解釈]、[参考]等が記載されています。
知的財産権に関係する実務家必携の書籍
本書は、いわゆる「青本」と呼ばれる書籍です。特許庁の編集によるものですから、ある意味では、特許庁の産業財産権法についての公式見解であるといえます。このような点から、弁理士試験の受験生にとっては、必携の書籍といわれています。また、同様に、弁理士の業務にも欠かせないものですから、ほぼ全員の弁理士の方が所持していものと思われます。
ただ、弁理士の実務家にとって不要なものかというと、そのようなことはありません。本書は、産業財産権制度全般の理解や、産業財産権法についての書籍の参考のためにも役立つ良書です。また、契約実務家にとっても、実施権設定契約、各種ライセンス契約、共同研究開発契約など、産業財産権法が関連する契約実務に関わる際に、これらの法令の参考資料として、重要な書籍といえます。
本書は、条文1条ごとの解説をおこなう構成となっています。解説の内容としては、原則として[趣旨]が記載され、必要に応じて、[旧法との関係]、[字句の解釈]、[参考]等が記載されます。
なお、これらの記述は、正確性を期すため、初学者にとっては難解な記述となっています。このため、初学者の方は、産業財産権や知的財産権についての入門書をご覧になったうえで本書を使用することをお勧めいたします。
最新の法令・他の知的財産権のへの対応に注意
本書は、最新の法令に対応するため、刊行以来、度重なる改定がおこなわれてきました。しかしながら、産業財産権法は頻繁に改正されますし、全面改訂の作業はそう頻繁におこなわれません。このため、法令の改正があった場合、その改正箇所については、本書は、対応していないことになります。
この点について、特許庁は、ホームページで、法改正の内容について解説しています。また、書籍としても、タイトルの一部に『産業財産権法の解説』という表現があるものとして出版しています。最新の法改正には、本書ではなく、これらの資料にもとづいて対応します。
なお、本書では、著作権法については解説されていません。これは、おそらく、著作権法の所管が文化庁だからであると思われます。著作権は、業務委託契約では、非常に重要な要素となることがあります。このため、著作権法については、他の書籍で対応する必要があります。
また、同様に、本書では、不正競争防止法については解説されていません。この点について、格別な理由は見出せません。おそらく、所管が経済産業省本体だからであるものと思われます。不正競争防止法、特に営業秘密については、業務委託契約では、非常に重要な要素となることがあります。このため、不正競争防止法については、他の書籍で対応する必要があります。
お勧めの関連書籍
- 大阪弁護士会知的財産法実務研究会『知的財産契約の理論と実務』商事法務;2007年
- 荒竹純一『ビジネス著作権法』産経新聞出版;2006年
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