
このページでは、取適法第7条(旧下請法第5条)に規定されている書面・記録(以下、「7条記録」といいます)について解説しています。
7条記録とは、取適法において、委託事業者(旧親事業者)が作成し、2年間保存しなければならない書面・記録のことです。
業務委託契約で取適法が適用される場合、委託者(委託事業者)は、7条記録を作成し、保存しなければなりません(7条記録の不作成は罰金が科されます)。
そこで、実務上は、業務委託契約書や注文書(+取引基本契約書)が7条記録の一部となるよう、取適法第7条の要件を満たすように考慮して作成します。
具体的には、公正取引委員会が定める「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則」を満たした内容にします。
このページでは、こうした7条記録とその必須記載事項について、開業22年・400社以上の取引実績がある行政書士が、わかりやすく解説していきます。
このページでわかること
- 7条記録の定義。
- 7条記録の必須記載事項。
- 7条記録と5条書類(旧下請法)との違い。
- 7条記録の作成・記載・記録の時期。
- 7条記録の保存期間。
なお、このページは、改正下請法=取適法にもとづく解説となります。
下請法は、2026年1月1日の改正下請法の施行に伴い、取適法に改められました。
旧下請法における5条書類の解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
【意味・定義】7条記録とは?
委託事業者が作成し保存する義務がある書類・書面
7条記録とは、取適法(正式には「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」)第7条に規定されている書面・記録です。
取適法第7条(書類等の作成及び保存)
委託事業者は、中小受託事業者に対し製造委託等をした場合は、公正取引委員会規則で定めるところにより、中小受託事業者の給付、給付の受領(役務提供委託又は特定運送委託をした場合にあつては、中小受託事業者から役務の提供を受けたこと)、製造委託等代金の支払その他の事項について記載し又は記録した書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第十四条第三号において同じ。)を作成し、これを保存しなければならない。
【意味・定義】7条記録(旧5条書類)とは?
7条記録とは、取適法第5条にもとづき、委託事業者が、作成し、保存しなければならない書類。旧下請法における5条書類に相当。
これは、旧下請法における5条書類(5条書面)に相当します。
一部では、「5条書類」の呼称になぞらえて「7条書類」や「7条書面」と表現される場合がありますが、このページでは、公正取引委員会の「中小受託取引適正化法テキスト」に倣い、「7条記録」と表現します。
7条記録は、委託事業者が中小受託事業者(旧下請事業者)との取引きの結果や履歴について記録しておく書類・記録です。
委託事業者は、7条記録の必須記載事項が生じた場合や明らかになった場合は、速やかに記録や記載をしなければなりません。
公正取引委員会規則=「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則」
取適法第7条に規定する「公正取引委員会規則」とは、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則」のことです。
この規則は、正式名称が非常に長いので、「取適法7条規則」、「7条記録規則」、「7条書面規則」、「7条規則」と省略されます。
実際に7条記録を作成する際には、取適法第7条とともに、取適法7条規則も併せて確認しながら作成します。
委託事業者が、取適法第5条と取適法7条規則に適合した書面を作成し、保存することで、はじめて取適法第5条を遵守していることになります。
逆にいえば、取適法第5条と取適法7条規則に適合していない書面を作成した場合は、取適法第5条に違反することになります。
7条記録と4条明示の違いとは?
取適法では、同じく委託事業者に作成義務があるものとして、4条明示があります。
【意味・定義】4条明示(取適法)とは?
4条明示(取適法)とは、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)第4条に規定された、委託事業者(旧親事業者)が中小受託事業者(旧下請事業者)に対し明示しなければならない事項(取引条件)をいう。旧下請法のいわゆる「3条書面」に代わるもの。
4条明示は、重複する記載事項が多いためか、7条記録と同様のものと誤解されがちですが、その本質は別物です。
4条明示は、あくまで中小受託事業者に対し取引条件を明らかにするためのものであるのに対し、7条記録は、取引の経過を記録しておくためのものです。
| 4条明示と7条記録の違い一覧表 | ||
|---|---|---|
| 4条明示 | 7条記録 | |
| 当事者 | 委託事業者(旧親事業者)が作成、中小受託事業者(旧下請事業者)が明示を受ける | 委託事業者が作成し保存する |
| 記載事項の内容 | 委託時の取引条件 | 委託後の取引の履歴 |
| 記載事項の数 | 12項目 | 17項目 |
| 保存期間 | 取適法(旧下請法)上は特に規定なし | 2年間 |
| 電磁的方法 | 可能 | 条件を満たせば可能(中小受託事業者の承諾は不要) |
特に7条記録は、公正取引委員会からの調査が入った際に真っ先に確認される資料です。このため、正確に記載・記録をしておくことが望まれます。
7条記録で記載する17の必須記載事項
取適法第5条と取適法5条規則では、以下の内容が、7条記録の記載事項とされています。
● 具体的な記録事項
- 中小受託事業者の名称(番号、記号等による記録も可)
- 製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託又は特定運送委託をした日
- 中小受託事業者の給付の内容(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、提供される役務の内容)
- 中小受託事業者の給付を受領する期日(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、その委託に係る役務の提供を受ける期日又は期間)
- 中小受託事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した日(役務提供委託又は特定運送委託の場
合は、その委託に係る役務の提供を受けた日又は期間)- 中小受託事業者の給付の内容(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、提供される役務の内容)について、検査をした場合は、その検査を完了した日、検査の結果及び検査に合格しなかった給付の取扱い
- 中小受託事業者の給付の内容について、変更又はやり直しをさせた場合は、その内容及びその理由
- 代金の額(代金の額として算定方法を明示した場合には、その後定まった代金の額を記録しなければ
ならない。また、その算定方法に変更があった場合、変更後の算定方法、その変更後の算定方法により
定まった代金の額及び変更した理由を記録しなければならない。)- 代金の支払期日
- 代金の額に変更があった場合は、増減額及びその理由
- 代金の支払について金銭を使用した場合は、その支払額、支払日及び支払方法(口座振込による場合はその旨)
- 代金の全部又は一部の支払につき、一括決済方式で支払うこととした場合は、金融機関から貸付け又は支払を受けることができることとした額及び期間の始期、委託事業者が代金債権相当額又は代金債務相当額を金融機関へ支払った日並びにその他当該貸付け又は支払に関する事項
- 代金の全部又は一部の支払につき、電子記録債権で支払うこととした場合は、電子記録債権の額、支
払を受けることができることとした期間の始期及び電子記録債権の満期日並びにその他当該電子記録債権の使用に関する事項- 12.及び13.の場合を除き、代金の支払について金銭以外の支払手段を使用した場合は、
❶ 当該支払手段の種類、名称、価額その他当該支払手段に関する事項
❷ 当該支払手段を使用した日
❸ 中小受託事業者が当該支払手段の引換えによって得ることとなる金銭の額その他その引換えに関する事項- 原材料等を有償支給した場合は、その品名、数量、対価、引渡しの日、決済をした日及び決済方法
- 代金の一部を支払い又は原材料等の対価の全部若しくは一部を控除した場合は、その後の代金の残額
- 遅延利息を支払った場合は、遅延利息の額及び遅延利息を支払った日製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
引用元:中小受託取引適正化法テキストp.52
7条記録に関する取適法の主な改正点(旧5条書類との比較)
取適法の7条記録では、基本的な記録項目そのものは旧下請法における5条書類の考え方を引き継いでいます。
ただし、以下のとおり、一部の内容については変更(太字箇所)があります。
| 記載項目 | 5条書類(旧下請法) | 7条記録(取適法) |
|---|---|---|
| 事業者の名称 | 下請事業者の名称(番号、記号等による記載も可) | 中小受託事業者の名称(番号、記号等による記録も可) |
| 委託日 | 製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日 | 製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託又は特定運送委託をした日 |
| 給付内容 | 下請事業者の給付の内容(役務提供委託の場合は、役務の提供の内容) | 中小受託事業者の給付の内容(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、提供される役務の内容) |
| 給付受領期日 | 下請事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は、役務が提供される期日又は期間) | 中小受託事業者の給付を受領する期日(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、その委託に係る役務の提供を受ける期日又は期間) |
| 受領した給付の内容・受領日 | 下請事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した日(役務提供委託の場合は、役務が提供された日又は期間) | 中小受託事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した日(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、その委託に係る役務の提供を受けた日又は期間) |
| 検査(実施した場合) | 下請事業者の給付の内容について、検査をした場合は、その検査を完了した日、検査の結果及び検査に合格しなかった給付の取扱い | 中小受託事業者の給付の内容について、検査をした場合は、その検査を完了した日、検査の結果及び検査に合格しなかった給付の取扱い |
| 変更・やり直し(行わせた場合) | 下請事業者の給付の内容について、変更又はやり直しをさせた場合は、その内容及び理由 | 中小受託事業者の給付の内容について、変更又はやり直しをさせた場合は、その内容及びその理由 |
| 代金の額(算定方法等を含む) | 下請代金の額(下請代金の額として算定方法を記載した場合には、その後定まった下請代金の額を記載しなければならない。また、その算定方法に変更があった場合、変更後の算定方法、その変更後の算定方法により定まった下請代金の額及び変更した理由を記載しなければならない。) | 代金の額(代金の額として算定方法を明示した場合には、その後定まった代金の額を記録しなければならない。また、その算定方法に変更があった場合、変更後の算定方法、その変更後の算定方法により定まった代金の額及び変更した理由を記録しなければならない。) |
| 支払期日 | 下請代金の支払期日 | 代金の支払期日 |
| 代金額の変更(増減額・理由) | 下請代金の額に変更があった場合は、増減額及びその理由 | 代金の額に変更があった場合は、増減額及びその理由 |
| 金銭による支払(支払額・日・方法) | 支払った下請代金の額、支払った日及び支払手段 | 代金の支払について金銭を使用した場合は、その支払額、支払日及び支払方法(口座振込による場合はその旨) |
| 手形による支払 | 下請代金の全部又は一部の支払につき、手形を交付した場合は、その手形の金額、手形を交付した日及び手形の満期 | 該当なし(手形による支払は支払遅延として禁止となったため) |
| 一括決済方式 | 下請代金の全部又は一部の支払につき、一括決済方式で支払うこととした場合は、金融機関から貸付け又は支払を受けることができることとした額及び期間の始期並びに親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払った日 | 代金の全部又は一部の支払につき、一括決済方式で支払うこととした場合は、金融機関から貸付け又は支払を受けることができることとした額及び期間の始期、委託事業者が代金債権相当額又は代金債務相当額を金融機関へ支払った日並びにその他当該貸付け又は支払に関する事項 |
| 電子記録債権 | 下請代金の全部又は一部の支払につき、電子記録債権で支払うこととした場合は、電子記録債権の額、支払を受けることができることとした期間の始期及び電子記録債権の満期日 | 代金の全部又は一部の支払につき、電子記録債権で支払うこととした場合は、電子記録債権の額、支払を受けることができることとした期間の始期及び電子記録債権の満期日並びにその他当該電子記録債権の使用に関する事項 |
| 金銭以外の支払手段 | ― | 上記の一括決済方式または電子記録債権の場合を除き、代金の支払について金銭以外の支払手段を使用した場合は、以下の事項
|
| 有償支給 | 原材料等を有償支給した場合は、その品名、数量、対価、引渡しの日、決済をした日及び決済方法 | 原材料等を有償支給した場合は、その品名、数量、対価、引渡しの日、決済をした日及び決済方法 |
| 控除後残額 | 下請代金の一部を支払い又は原材料等の対価の全部若しくは一部を控除した場合は、その後の下請代金の残額 | 代金の一部を支払い又は原材料等の対価の全部若しくは一部を控除した場合は、その後の代金の残額 |
| 遅延利息 | 遅延利息を支払った場合は、遅延利息の額及び遅延利息を支払った日 | 遅延利息を支払った場合は、遅延利息の額及び遅延利息を支払った日 |
このように、一部の用語の表記が変わった他、主に、特定運送委託に関する事項、金銭以外の支払手段の事項が追加されています。
また、手形支払の禁止に伴い、手形支払に関する事項が削除されました。
業務委託契約書=7条記録の一部にできる
7条記録の記載事項がある業務委託契約書とする
7条記録は、取引きの履歴を残しておくための資料です。
このため、取適法が適用される場合、業務委託契約を締結する時点で明らかになっている7条記録の記載事項は、業務委託契約書に記載します。
なお、業務委託契約書は、いわゆる「スポット」の取引きのように、1回だけ、または複数回の取引きの場合に使います。
これに対し、いわゆる取引基本契約書と注文書・注文請書は、反復継続的な取引きの場合に使います。
いずれも、契約を締結する時点で明らかな7条記録の記載事項は、契約書に記載しておきます。
業務委託契約書・取引基本契約書だけでは7条記録とはならない
ただ、7条記録の記載事項の性質上、契約を結ぶ時点では、明らかになっていない記載事項もあります。具体的には、以下の事項が該当します。
業務委託契約書・取引基本契約書に書けない記載事項
- 中小受託事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した日(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、その委託に係る役務の提供を受けた日又は期間)
- 中小受託事業者の給付の内容(役務提供委託又は特定運送委託の場合は、提供される役務の内容)について、検査をした場合は、その検査を完了した日、検査の結果及び検査に合格しなかった給付の取扱い
- 中小受託事業者の給付の内容について、変更又はやり直しをさせた場合は、その内容及びその理由
- 代金の額(代金の額として算定方法を明示した場合には、その後定まった代金の額を記録しなければならない。また、その算定方法に変更があった場合、変更後の算定方法、その変更後の算定方法により定まった代金の額及び変更した理由を記録しなければならない。)
- 代金の額に変更があった場合は、増減額及びその理由
- 代金の支払について金銭を使用した場合は、その支払額、支払日及び支払方法(口座振込による場合はその旨)
- 代金の全部又は一部の支払につき、一括決済方式で支払うこととした場合は、金融機関から貸付け又は支払を受けることができることとした額及び期間の始期、委託事業者が代金債権相当額又は代金債務相当額を金融機関へ支払った日並びにその他当該貸付け又は支払に関する事項
- 代金の全部又は一部の支払につき、電子記録債権で支払うこととした場合は、電子記録債権の額、支払を受けることができることとした期間の始期及び電子記録債権の満期日並びにその他当該電子記録債権の使用に関する事項
- 代金の支払について金銭以外の支払手段を使用した場合は、当該支払手段の種類、名称、価額その他当該支払手段に関する事項、当該支払手段を使用した日並びに中小受託事業者が当該支払手段の引換えによって得ることとなる金銭の額その他その引換えに関する事項
- 原材料等を有償支給した場合は、その品名、数量、対価、引渡しの日、決済をした日及び決済方法
- 代金の一部を支払い又は原材料等の対価の全部若しくは一部を控除した場合は、その後の代金の残額
- 遅延利息を支払った場合は、遅延利息の額及び遅延利息を支払った日製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
これらの内容は、必要に応じて、契約を結んだ後で、業務委託契約書や取引基本契約書+注文書・注文請書とは別の、補充書面に記載しておきます。
こうした事情があるため、業務委託契約書や取引基本契約書+注文書・注文請書を作成し、保存しただけでは、7条記録を作成、保存したことにはなりません。
業務委託契約書・取引基本契約書とは独立した7条記録を作成してもいい
このため、4条明示(旧3条書面)とは違って、7条記録を完全な形で整備する場合は、業務委託契約書・取引基本契約書とは別に、書類やデータを作成することになります。
この書類は、業務委託契約書・取引基本契約書を補完して7条記録となるような、補充書面でもかまいません。
なお、この場合は、「その相互の関係を明らかに」する必要があります(取適法5条規則第1条第3項)。これは、取引基本契約書と注文書・注文請書との関係でも同じことが言えます。
また、管理のしやすさという点では、業務委託契約書・取引基本契約書とは完全に独立した7条記録を作成する場合もあります。
ポイント
- 業務委託契約書・取引基本契約書+注文書・注文請書を7条記録の一部とすることは可能。
- ただし、契約が成立したあとで記載する事項もあるため、業務委託契約書・取引基本契約書+注文書・注文請書だけでは完全な7条記録とはならない。
- 完全な7条記録とするのであれば、契約書+補充書面とするか、または契約書とは独立した7条記録を作成する。
電磁的記録による7条記録の作成・保存のしかた
7条記録は、必ずしも書類で作成・保存する必要はありません。条件さえ満たしていれば、電磁的記録による作成・保存もできます。
その条件は、具体的には、以下のとおりです。
7条記録を電磁的記録にできる4条件
- 記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること(取適法5条規則第2条第3項第1号)。
- 必要に応じ電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に出力することができること(取適法5条規則第2条第3項第2号)。
- 中小受託事業者を検索の条件として設定することができる検索機能があること(取適法5条規則第2条第3項第3号イ)。
- 製造委託等をした日=注文日の範囲を指定して条件を設定することができる検索機能があること(取適法5条規則第2条第3項第3号ロ)。
これらの条件を満たした場合は、データ形式での7条記録の作成・保存も可能となります。
7条記録はいつまでに作成する?
7条記録の個々の記載事項については、記載事項に「係る事実が生じ、又は明らかになったときに、速やかに当該事項について行わなければならない。」
第3条
1 前条第一項及び第二項に規定する事項の記載又は記録は、それぞれその事項に係る事実が生じ、又は明らかになったときに、速やかに当該事項について行わなければならない。
(以下省略)
引用元:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則 | e-Gov法令検索
このため、少なくとも製造委託等の「委託があった時点から」速やかに7条記録を作成し、記載・記録をしなければなりません。
なお、「速やかに」となっているとおり、4条明示の「直ちに」(=すぐに)よりは、猶予があります。
【意味・定義】速やかにとは?
「速やかに」とは、できるだけ速く、ということ。
この他、4条明示の時期につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
7条記録の保存期間は?
保存期間は2年間
7条記録の保存期間は、記載または記録が終わった日から起算して2年とされています。
取適法5条規則第3条
書類等は、その記載又は記録をすべき事項の全部の記載又は記録をした日から二年間、保存しなければならない。
「2年過ぎたら廃棄していい」というわけではない
なお、7条記録の保存期間が2年間だからといって、2年過ぎたら廃棄していい、というわけではありません。
他の法律でも書類・書面の保存が義務づけられていることがありますし、会計証憑としての保存義務もあります。
このため、そういった他の法律についても考慮する必要があります。
以下は、その代表的な例です。
7条記録(契約書)の保存期間と根拠条文
- 7年:法人税法施行規則第59条、法人税法施行規則第67条、会社法第432条、会社法第435条等
- 10年:製造物責任法第5条(ただし、保存義務そのものはなく、時効になるまでに訴訟の対応をするために必要な保存)
ポイント
- 取適法第5条と取適法5条規則にもとづき、委託事業者は、一定の条件を満たした7条記録を作成し、2年間保存しておく義務がある。
- ただし、他の法律により、2年間よりも長期間、7条記録を保存する義務もある。
取適法第5条違反は個人単位で罰金刑が科される
委託事業者が7条記録の作成・保存をしなかった場合や、虚偽の記載・記録をしたは、50万円以下の罰金が科されます。
取適法第14条(罰則)
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、五十万円以下の罰金に処する。
(1)第四条第一項の規定に違反して明示すべき事項を明示しなかつたとき。
(2)第四条第二項の規定に違反して書面を交付しなかつたとき。
(3)第七条の規定に違反して、書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又は虚偽の書類若しくは電磁的記録を作成したとき。
ポイントは、委託事業者である法人に罰金が科されるのではなく、「その違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者」にも罰金が科される、ということです。
会社で50万円を払えばいい、というものではないのです。しかも、50万円とはいえ、いわゆる「前科」がつきます。
なお、委託事業者である法人にも、罰金は科されます。
取適法第16条(罰則)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
ポイント
- 7条記録を作成・保存しないことは犯罪行為。
- しかも法人だけでなく個人にも罰金が科される。
取適法の対象かどうかの条件とは?
取適法が適用される対象かどうかの条件は、以下のパターンのいずれかとなります。
パターン1 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 資本金の区分 | 3億1円以上の法人 | 3億円以下の法人(または個人事業者) | |
| 業務内容 |
| ||
パターン2 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 資本金の区分 | 1千万1円以上3億円以下の法人 | 1千万円以下の法人(または個人事業者) | |
| 業務内容 |
| ||
パターン3 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 従業員の区分 | 従業員300人超の法人 | 従業員300人以下の法人または個人事業者 | |
| 業務内容 |
| ||
パターン4 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 資本金の区分 | 5千万1円以上の法人 | 5千万円以下の法人(または個人事業者) | |
| 業務内容 |
| ||
パターン5 | ||
|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | |
| 資本金の区分 | 1千万1円以上5千万円以下の法人 | 1千万円以下の法人(または個人事業者) |
| 業務内容 |
| |
パターン6 | ||
|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | |
| 従業員の区分 | 従業員100人超の法人 | 従業員100人以下の法人または個人事業者 |
| 業務内容 |
| |
これらのパターンのいずれかに該当する場合は、取適法の適用対象となり、委託事業者は、7条記録を作成しなければなりません。
これらの取適法が適用されるかどうかの条件につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
取適法の7条記録に関するよくある質問
- 7条記録とは何ですか?
- 7条記録とは、取適法第5条にもとづき、委託事業者が、作成し、保存しなければならない書面のことです。
- 7条記録の必須記載事項は何ですか?
- 7条記録には、以下の内容を記載しなければなりません。
- 中小受託事業者の名称(番号,記号等による記載も可)
- 製造委託,修理委託,情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
- 中小受託事業者の給付の内容
- 中小受託事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は,役務が提供される期日・期間)
- 中小受託事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した日(役務提供委託の場合は,役務が提供された日・期間)
- 中小受託事業者の給付の内容について検査をした場合は,検査を完了した日,検査の結果及び検査に合格しなかった給付の取扱い
- 中小受託事業者の給付の内容について,変更又はやり直しをさせた場合は,内容及び理由
- 製造委託等代金の額(算定方法による記載も可(※))
- 製造委託等代金の支払期日
- 製造委託等代金の額に変更があった場合は,増減額及び理由
- 支払った製造委託等代金の額,支払った日及び支払手段
- 製造委託等代金の支払につき手形を交付した場合は,手形の金額,手形を交付した日及び手形の満期
- 一括決済方式で支払うこととした場合は,金融機関から貸付け又は支払を受けることができることとした額及び期間の始期並びに委託事業者が製造委託等代金債権相当額又は製造委託等代金債務相当額を金融機関へ支払った日
- 電子記録債権で支払うこととした場合は,電子記録債権の額,中小受託事業者が製造委託等代金の支払を受けることができることとした期間の始期及び電子記録債権の満期日
- 原材料等を有償支給した場合は,その品名,数量,対価,引渡しの日,決済をした日及び決済方法
- 製造委託等代金の一部を支払い又は原材料等の対価を控除した場合は,その後の製造委託等代金の残額
- 遅延利息を支払った場合は,遅延利息の額及び遅延利息を支払った日






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