業務委託契約書の基本
瑕疵担保責任
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本項では、業務委託契約と民法上の請負契約における瑕疵担保責任との関係について解説しています。
瑕疵担保責任とは、請負契約において、契約内容である仕事に瑕疵(欠陥やミスのこと)があった場合に、請負人(受注者)が発注者に対して負う責任です(民法第634条)。
請負契約では、請負人(受注者)がミスのない完全な仕事をおこなうことが前提となっています。このため、結果としてミスがある仕事をおこなった請負人(受注者)は、ミスがない仕事とする責任が発生します。
瑕疵担保責任=ミスがない仕事を担保する責任
請負契約は、請負人(受注者)がミスがない完全な仕事をする契約です。このため、実際の仕事の結果にミスがあった場合は、請負人(受注者)は、そのミスを修理するなどの、ミスを担保する責任を負わなければなりません。このような請負契約におけるミスを担保する責任を「瑕疵担保責任」といいます。なお、同様の責任は、売買契約における売主にも課されています(これも同じく「瑕疵担保責任」といます)。
具体的な責任の内容として、請負人(受注者)は、発注者からの「瑕疵の修補(民法第654条第1項)」、「損害賠償(同第634条第2項)」、「契約の解除」(同第635条、ただし建物その他の土地の工作物を除く)の請求に応ずる義務があります。
実務上重要な点としては、請負者(受注者)に瑕疵担保責任があるかどうかの基準が明確になっていることが重要です。これは、請負人(受注者)と発注者との間に、「何をもって瑕疵とするか」という認識に食い違いが出る可能性があるからです。このため、後々に当事者間で揉めないように、どのような請負契約であっても、何をもって瑕疵とするのか、つまり、「仕事の完成の基準」=業務内容を明確にしておくことが重要となります。
担保責任の存続期間の長さに注意
請負人が瑕疵を担保しなければならない期間期間は、「仕事の目的物を引き渡した時」、または「仕事が終了した時」から1年間とされています(民法第637条)。ただし、建物その他の土地の工作物が目的物の場合は、その土地の工作物または地盤については5年間(石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については10年間)とされています(民法第638条)。
受注者は、これらの期間内に、上述の瑕疵の修補、損害賠償、契約の解除の請求をしなければならりません。担保期間は、契約の特約で変更することができます。このため、通常は、契約の実態に応じて、担保期間を変更します(民法639条)。
なお、瑕疵担保責任を負わない旨の特約も有効とされています(民法第640条反対解釈)。この点は、特にソフトウェア開発業務委託契約書において、バグがあった場合の取扱いとして重要となります。ただ、契約内容によっては、法令等により、瑕疵担保責任を負わない旨の特約や担保期間の短縮が制限される場合があります(例:住宅の品質確保の促進等に関する法律、製造物責任法等)ので、注意が必要です。
参考文献
- 佐藤孝幸『実務契約法講義[第3版]』民事法研究会;平成19年
- 滝川宜信『取引基本契約書の作成と審査の実務[第2版補訂版]』民事法研究会;平成19年
- (社)情報サービス産業協会法的問題委員会契約部会『新しいソフトウェア開発委託取引の契約と実務』商事法務;2002年
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