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重要な契約条項

再委託

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業務委託契約書では、再委託の可否について明記します。

民法上、再委託の可否については、契約内容が委任契約か請負契約かによって異なります。ただ、業務委託契約の内容が委任契約か請負契約かは判然としないことが多いため、再委託の可否についても判然としません。

業務委託契約では、再委託が前提のような契約もありますので、再委託の可否を明らかにするためにも、業務委託契約書に再委託の可否を明記する必要があります。なお、再委託をできる内容とする場合は、手続きや責任の所在なども、併せて明記します。

再委託は原則可(請負契約)か原則不可(委任契約)か

業務委託契約が請負契約の場合、民法上、原則として、受託者による再委託(下請負)ができるものとされています。これは、請負契約は「仕事を完成させる」ことを目的とした契約であるため、その仕事を誰が完成させても、その仕事が完成していれば問題ないからです。

ただし、例外として、誰が完成させるかが重要な契約(例:小説の執筆、絵画の作成、講演、演奏などの「一身専属的給付義務」がともなう契約)の場合は、下請負が認められないこともあります。

なお、建設工事請負契約では、一括下請負(いわゆる「丸投げ」)が禁止されています(建設業法第22条)。このため、部分的にしか再委託(下請負)することができません。

これに対して、業務委託契約が委任契約の場合、民法上、原則として、受託者による再委託(再委任)ができないものとされています。これは、委任契約が委任者と受任者との信頼関係を基礎として成立するものであるため、受任者が第三者に業務内容を再委任するのであれば、委任者による信頼を裏切ることになるからです。

ただし、例外として、委任者による承諾を得た場合、または、やむをえない場合は、再委託することができるとされています(民法第104条類推適用)。

なお、ある種の委任契約や請負契約では、あえて特定の個人が業務をおこなうことを義務づけることがあります。例えば、投資ファンドの契約(匿名組合契約など)では、特定のファンドマネージャーに運用を義務づけることがあります。このような条項を「キーマン条項」といいます。

以上のように、請負契約と委任契約とでは、再委託の可否については、真逆の結論となります。ところが、業務委託契約が請負契約であるか委任契約であるかは、契約内容によっては、はっきりしないことがありますので、再委託の可否についても、はっきりしないことになります。このため、業務委託契約書では、再委託の可否について明記して作成することが重要です。

再委託ができる場合の手続きや責任を明記する

一般的な業務委託契約では、再委託を禁止します。これには、①再委託先への委託者の技術情報、ノウハウ等の漏洩を防止するため、②ビジネス上の契約である業務委託契約では、誰が業務をおこなうのかがより重要なため―という理由があります。

しかしながら、ビジネスモデルによっては、再委託が前提となっている業務委託契約(例:建設工事請負契約、ソフトウェア開発業務委託契約など)がありますので、必ずしも、再委託を全面的に禁止するわけではありません。

この点について、委託者にとっては、誰が業務をおこなうかは非常に重要なため、原則として再委託を禁止し、委託者の許可を得ることで再委託ができるようにするべきです。

他方、受託者にとっては、委託者の許可が必要な再委託では、実質的に禁止となる可能性があり、また、委託者の許可が迅速な業務処理に影響を与える可能性があるため、特に許可を必要とせず、全面的に再委託ができるような内容とするべきです。

なお、再委託ができる内容とする場合は、併せて、手続きや責任の所在を明記します。特に受託者にとっては、委託者からの許可を得る場合、後の証拠とするために、書面による許可を得るべきです。また、再委託先の責任によって、委託者に損害が発生した場合、その責任は受託者が負うことを明記します。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日