知的財産権と業務委託契約書
商標権と業務委託契約書
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本項では、商標権と業務委託契約書、特に、デザイン業務委託契約書、製造請負契約書について解説しています。
商標権は、商品や役務(サービス)のブランドを保護する権利です。
ロゴやサービスマークのデザイン業務委託契約書では、そのデザインについての権利(特に著作権)の取扱いの規定が重要です。
また、受託者が商標権を使用することが前提の業務委託契約書では、その使用について、契約書に明記して作成します。
「商標登録を受ける権利」は存在しないが・・・
商標権は、特許権などと同様に、登録を出願することで、はじめて権利として認められます。このため、価値のあるブランドであっても、商標登録をしていないと、原則として、商標法による保護を受けることはできません(ただし、著作権法や不正競争防止法による保護を受けることができる可能性はあります。)。
さて、商標登録ができるものとして、サービスマークやロゴなどのデザイン性のあるものがあります。これらのデザインを社外のデザイナー委託する場合、デザインの権利の取扱いについて、問題となる可能性があります。
商標法には、特許法、実用新案法、意匠法などと違って、商標登録をすることができる権利、つまり、「商標登録を受ける権利」が存在しません。このため、特に社外のデザイナーとの間で権利の処理をしなくても、商標登録についての要件さえ充たせば、商標登録の出願はできます。
しかし、仮にそのデザインの商標が登録されたとしても、そのデザインには、著作権が発生する可能性もあります。この場合、その著作権によって、商標権の実施(使用などの権利の行使)ができなくなる可能性があります(商標法第29条)。このため、デザインの著作権についても譲渡する旨を規定します。
商標権の実施を明記する
業務委託契約において、商標権の実施が問題となる場合は、委託者から受託者への商標権の実施権の付与(使用許諾などのこと。)の場合です。具体的には、登録商標を利用した営業の代行契約(代理店契約)などがあります。また、登録商標を使用した工業製品の製造請負契約などがあります。
この場合、実施権の内容を契約書に記載して作成ます。この際、実施権の内容を正確に記載することが重要です。特に、目的、専用実施権・通常実施権の別、通常実施権であれば独占・非独占の別、地域、期間、対象目的物などの詳細を記載します。
こうすることで、特に委託者にとっては、自らの商標権を必要以上に受託者に利用されることがなくなります。なお、場合によっては、これらの内容を、元の代理店契約や製造請負契約とは別のライセンス契約にすることもあります。
関連項目
参考文献
- 特許庁『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第18版]』社団法人発明協会;2010年(平成22年)
- 大阪弁護士会知的財産法実務研究会『知的財産契約の理論と実務』商事法務;2007年
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