一般的な業務委託契約では、物品・製品・成果物の納入や、委託業務の実施があった場合、納入・実施の検査をします。
この検査の行程は、納入の行程とは別物ですので、手続きも別々におこないます。
検査については、民法にはほとんど規定がありません。
このため、検査に関する契約内容は、すべてを業務委託契約に規定する必要があります。
このページでは、こうした検査の実施に関する契約条項について、解説していきます。
なお、検査のスケジュール・手続きにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
業務委託契約における検査とは?
業務委託契約では委託者による委託業務の検査がある
一般的な業務委託契約書では、受託者から委託者に対して物品・製品・成果物の納入や委託業務の実施があった場合、委託者は、その納入・実施について検査をします。
これは、当然ながら、納入・実施について、受託者の故意・過失によって、ミス・欠陥(=契約不適合・瑕疵)がないかどうかを確認するためです。
【意味・定義】検査とは?
業務委託契約における「検査」とは、委託者が、受託者から実施された業務について、業務内容に適合しているかどうか確認し、その合否を判定する作業をいう。
検査の結果、合格となれば、委託業務は無事終了となりますが、不合格となれば、受託者は、再度業務をやり直すことになります。
また、成果報酬型の業務委託契約では、検査に合格した場合に限り、報酬の支払いがあります。
つまり、検査は、業務が終了するかどうか、そして報酬が発生するかどうかを決める、非常に重要な規定であるといえます。
検査は民法に規定がない=すべて契約当事者が決める
このように、検査の規定は非常に重要ではありますが、民法では、検査に関して、ほとんど規定がありません。
ちなみに、商法では、次のとおり、売買契約における検査に関する規定はあります。
商法第526条(買主による目的物の検査及び通知)
1 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。売買の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見することができない場合において、買主が6箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。
3 前項の規定は、売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合には、適用しない。
引用元:商法 | e-Gov法令検索
ただ、これはあくまで、「売買」に関する規定です。
この点について、実態が売買契約である業務委託契約も、ないわけではありません。
しかし、ほとんどの業務委託契約は、売買契約には該当せず、請負契約や(準)委任契約に該当します。
このため、一般的な業務委託契約では、この商法第526条は適用されません。
以上のように、民法や商法では、検査に関する規定はありません。
つまり、検査に関するルールは、委託者と受託者が、業務委託契約で決めなければなりません。
検査をしない・省略・委任する場合もある
検査をしない業務委託契約とは?
なお、一部の業務委託契約では、検査をしないことがあります。
特に、成果報酬型でないコンサルティング契約では、検査をしないことがあります。
コンサルティング契約における検査
成果保証型以外のコンサルティング契約では、コンサルタント側が成果を保証しない。このため、仮に検査結果が不合格だったとしても、クライアント側がやり直しや返金の請求ができないため、検査はしない。
この他、非常に少額な業務委託契約では、検査の実施が検査のコストに見合わないことがあるため、検査をしないこともあります。
検査の省略=本来は検査するべきものを検査しない
また、場合によっては、検査を省略することもあります。
検査の省略は、単に「検査をしない」こととは意味合いことなり、「本来は検査をするべきだけれども検査をしない」という意味です。
検査を省略するのは、主に次のような場合です。
業務委託契約において検査を省略する場合の例
- 品質が良い、仮に業務内容に欠陥・ミスがあっても品質保証の体制が確立しているなど、受託者が信頼できる場合。
- 物品・製品・成果物や委託業務に、多少の欠陥・ミスがあっても、安全上や法規制上ほとんど問題が発生しない場合。
なお、取適法(旧下請法)が適用される業務委託契約では、検査を省略とした場合、その検査は、自動的に合格扱いとなります(後に詳しく触れます)。
検査の委任≠出荷検査
製造請負契約など、製造業の業務委託契約では、ごく稀に、委託者が受託者に対し、検査を委任することがあります。
これは、本来は、業務内容の受入時に、委託者がその責任でするべき検査、いわゆる「受入検査」を受託者に委任する、ということです。
検査の委任は、受託者がその責任でする出荷時の検査、いわゆる「出荷検査」とは別の考え方です。
【意味・定義】受入検査・出荷検査とは?
- 受入検査とは、受託者からの物品・製品・成果物の受入の時点で、委託者がその責任と権利において実施する検査をいう。
- 出荷検査とは、委託者が物品・製品・成果物の出荷の時点で、その責任において実施する検査をいう。
検査を委任する場合、委託者自身による検査以上に、検査仕様(検査項目・検査方法・検査基準)が重要となります。
なお、取適法が適用される業務委託契約では、委託者=委託事業者(旧親事業者)が受託者=中小受託事業者(旧下請事業者)に対し、「口頭で」検査を委任した場合、その検査は、自動的に合格扱いとなります(後に詳しく触れます)。
ポイント
- 業務委託契約では、委託者による委託業務の検査がある。
- 業務委託契約における「検査」とは、委託者が、受託者から実施された業務について、業務内容に適合しているかどうか確認し、その合否を判定する作業のこと。
- 検査は、民法に規定がない。つまり、検査に関する規定は、委託者と受託者がすべて業務委託契約で決める。
- 委託者が検査をしない・検査を省略する・受託者に検査を委任する場合もある。
- 検査の省略・検査の委任は、場合によっては自動合格となる。
業務委託契約における検査は検査基準が重要
なにをもって「合格」かが重要
検査の条項では、重要な内容がいろいろとありますが、最も重要なものは、検査が合格となる基準、つまり検査基準です。
すでに触れたとおり、業務委託契約において、検査に合格するということは、その業務が問題なく終了したことを意味します。
これを法律的な表現にすれば、業務実施の債務者である受託者が、債務を履行した、ということになります。
このように、検査基準は、受託者が債務を履行したかどうかを判定する基準となります。
このため、特に受託者にとっては、検査基準は、非常に重要な契約内容となります。
業務内容≒検査基準とする
このように、検査基準は、受託者が業務を実施したかどうかの判定基準となります。
ということは、業務そのものを規定している条項=業務内容の条項が、非常に重要となります。
言いかえれば、業務内容自体が、一種の検査基準であるといえます。
このため、理想的には、業務内容の規定だけで検査ができるくらい、詳細な内容となっていることが望ましいといえます。
例えば、一定規模以上の建設工事請負契約では、業務内容を確定させるものとして、詳細な設計図書が作成されます。
こうした詳細に作成されている設計図書は、それ自体が検査基準となります。
検査仕様=検査項目・検査方法・検査基準を別途決める
【意味・定義】検査仕様とは?
では、実際に検査の規定では何を規定するのかといえば、検査項目・検査方法・検査基準の3点を決めます。
これらを総称して、「検査仕様」と表現する場合があります。
【意味・定義】検査仕様とは?
検査仕様とは、一般的には、検査項目、検査方法、検査基準等を総称したものをいう。
- 検査項目:「何を」検査するのか。
- 検査方法:「どのように」検査するのか。
- 検査基準:検査の結果、「何に」達していれば合格なのか。
もちろん、業務内容によっては、もっと簡単な検査もありますし、より複雑な検査もあります。
また、個々の検査仕様については、取引内容や、取扱う物品・製品・成果物によって、様々です。
ただ、一般的な企業間取引の業務委託契約では、これらの点を考慮しながら検査仕様を確定させます。
検査仕様は一義的・客観的に規定する
なお、検査仕様を規定する場合に気をつけなければならないのが、一義的・客観的に規定する、という点です。
一義的・客観的な検査仕様
- 検査項目:「何を」検査するのか、委託者・受託者双方の解釈が一致するようにする。
- 検査方法:「どのように」検査するのか、委託者・受託者双方の解釈が一致するようにする。
- 検査基準:検査の結果、「何に」達していれば合格なのか、なるべく数字で一義的・客観的に規定する。
このうち、特に重要なのは検査基準です。
検査基準を設定する場合は、委託者・受託者が恣意的な判断ができないよう、可能な限り、定量的な基準=数字を設定します。
ポイント
- 検査は検査基準=「何をもって検査合格か」が重要となる。
- 業務内容は検査基準の一部(場合によっては全部)。
- 場合によっては、業務内容とは別に、検査仕様=検査項目・検査方法・検査基準を決める。
- 検査仕様は、委託者と受託者とで解釈が分かれないよう、一義的・客観的に規定する。
不明確な業務内容・検査仕様はトラブルのもと
不明確な業務内容・検査仕様は委託者・受託者双方のリスク
このように、業務内容や検査仕様が明確な場合は、検査の実施では、トラブルになることはほとんどありません。問題は、業務内容や検査仕様が不明確な場合です。
業務内容や検査仕様が不明確な場合、検査結果を巡って、しばしば委託者と受託者の間でトラブルとなります。
具体的には、検査結果の解釈が、委託者は不合格と判断し、受託者は合格と判断する場合です。
こうしたトラブルにならないようにするためにも、一義的・客観的な業務内容・検査仕様が重要となります。
受託者にとっては恣意的な検査のリスクがある
一般的に、不明確な業務内容・検査仕様は、受託者にとってのリスクとなります。
その代表的な例は、次のような、いわゆる「恣意的な検査」です。
【意味・定義】恣意的な検査の具体例とは?
取適法やフリーランス保護法における恣意的な検査とは、次のような行為をいう。
- 物品・製品・成果物の受領拒否
- 物品・製品・成果物の返品
- 業務の不当なやり直し
これらの行為は、取適法やフリーランス保護法が適用される業務委託契約では、委託事業者による取適法違反となります(後で詳しく触れます)。
ただ、取適法やフリーランス保護法が適用されない場合、受託者は、これらの法律による保護は期待できません。
もっとも、独占禁止法による保護は受けられる可能性はあります。
また、業務内容や検査仕様が業務委託契約書に明記されていなければ、委託者による検査が恣意的かどうかの判定ができません。
このため、受託者としては、業務委託契約書では、業務内容や検査仕様を明確に記載したうえで作成する必要があります。
委託者にとっては委託業務の実施が担保されないリスクがある
不明確な業務内容・検査基準は検査不合格の際に問題となる
また、検査仕様は、委託者にとっても重要な契約内容です。
委託者にとって、業務内容や検査基準は、検査対象である物品・製品・成果物や業務が合格するための担保となります。
業務委託契約において、委託者は、業務内容や検査基準に適合した=検査に合格する、物品・製品・成果物や業務の納入や提供を受ける権利があります。
もちろん、毎回検査に合格する水準の物品・製品・成果物や業務の納入や提供があれば問題ありません。
ただ、そうでない場合、つまり不合格の場合に、業務内容・検査基準が問題となります。
検査不合格の場合は委託者と受託者の間で合否の判断が割れる
意図した検査基準を下回る物品・製品・成果物や業務の納入や提供を受けた場合、当然、委託者としては、検査結果を「不合格」とします。
そもそも、受託者のほうも、よほどの事情がない限り、不合格となる物品・製品・成果物や業務の納入や提供をしません。
このため、通常、委託者による「不合格」の判定があるのは、委託者は「不合格」=黒と判断し、受託者は「合格」=白と判断する場合が多いのです。
不合格の場合の当事者の思惑
業務内容・検査基準が不明確な業務委託契約では、委託者は不合格と判断し、受託者は合格と判断する。
つまり、このように検査結果を巡って解釈が分かれるのは、合否がハッキリしない、いわばグレーゾーンの業務内容・検査基準が原因といえます。
業務内容の明確化は委託者の責任
業務内容・検査基準が明確になっていないと、委託者は、「不合格」であることを主張できなくなる可能性があります。
そもそも、業務委託契約において、業務内容を明らかにするのは、本来は委託者側の義務であり、その義務を怠った責任は、委託者が負担するべきものです。
特に、取適法やフリーランス保護法では、この点が明確に規定されています。
取適法やフリーランス保護法が適用される業務委託契約では、不明確な業務内容・検査仕様にもとづく検査の不合格や、その不合格にもとづくやり直し等は、取適法やフリーランス保護法に違反することとなります。
このため、委託者の立場としても、業務委託契約書では、業務内容や検査仕様を明確に記載したうえで作成する必要があります。
ポイント
- 不明確な業務内容・検査仕様は、委託者・受託者の双方にとってリスクとなる。
- 受託者にとっては、不明確な業務内容・検査仕様は、委託者による恣意的な検査のリスクがある。
- 委託者にとっては、不明確な業務内容・検査仕様は、やり直し等を請求できなくなるなど、委託業務の実施ややり直しが担保されないリスクがある。
検査仕様は業務委託契約書か検査仕様書で確定する
契約書の本文に記載するか別紙として添付する
業務内容や検査仕様は、契約書に記載できる程度の少ない分量であれば、契約書に記載します。
ただ、業務内容・検査仕様の分量が多い場合は、そのまま契約条項として記載してしまうと、他の契約条項が見づらくなります。
このため、業務内容・検査仕様の分量が多い場合は、別紙として、契約書の最後の部分に添付することで対応します。
この際、別紙は、契約書と一緒に綴じ込み、製本テープと文書との間に契印を押印することで、契約書と一体の文書となるようにします。
「別紙」だからといって、物理的に別々の文書としてはいけません。
場合によって別の独立した文書として作成する
また、別紙として添付したとしても、別紙が契約書のページ数よりも著しく多くなる場合は、契約書が見づらくなります。
この場合は、業務内容・検査仕様は、「検査仕様書」のように、契約書から独立した別の文書として作成します。
この際、こうした業務内容・検査仕様が記載された文書には、契約書と同様に、契約当事者の双方が、署名または記名押印をします。
こうすることで、契約内容の一部として、法的拘束力を持たせます。
ポイント
- 分量が少ない業務内容・検査仕様は、業務委託契約書の本文に記載する。
- 分量がやや多い業務内容・検査仕様は、業務委託契約書の別紙に記載する。
- 分量が多い業務内容・検査仕様は、別途検査仕様書を作成して記載する。
契約書では「検収」という用語は使わない
製造請負契約書では、「検査」ではなく「検収」という用語を使っていることがあります。
この「検収」という用語は、法令用語ではないため、法的な定義はありません。
管理人の経験では、「検収」は、以下のいずれかの意味で使われている場合が多いです。
検収の解釈のパターン
- 「納入」(+受入検査≠品質検査)の意味で使われる場合
- 「検査」の意味で使われる場合
- 「納入」+「検査」の意味で使われる場合
- 「納入」+「検査」の行程の一部の意味で使われる場合
- 定義が不明な場合
いずれにしても、定義を明確にしている場合は問題ではありませんが、そのように定義を明確にしたうえで「検収」という用語を使っている契約書は、それほど多くは見かけません。
このように、契約書の書き方として、特に定義づけもしないで検収を使うと、相手方に意図が伝わらず、誤解の原因となります。ですから、「検収」という用語は、使ってはいけません。
どうしても使わざるを得ない場合は、明確な定義を規定したうえで使います。
ポイント
- 「検収」は定義が決まっていない用語であるため、安易に使わない。
- どうしても「検収」を使う場合は、明確に定義を規定する。
委託者は検査の際の取適法・フリーランス保護法違反に要注意
不明確な業務内容は取適法・フリーランス保護法違反
取適法とは?
取適法が適用される業務委託契約の場合、業務内容は、いわゆる4条明示(旧3条書面)の必須記載事項です。
取適法は、正式名称を「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」といい、委託者=委託事業者を規制し、受託者=中小受託事業者を協力に保護している法律です。
【意味・定義】取適法とは?
取適法とは、正式には「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」といい、委託事業者(旧親事業者)に対し義務・禁止行為を課すことにより、委託事業者の中小受託事業者(旧下請事業者)に対する取引を公正にするとともに、中小受託事業者の利益を保護することを目的とした法律をいう。いわゆる「下請法」が改正されたもの。
業務委託契約では、委託者と受託者の資本金の金額や従業員の人数と業務内容によっては、取適法が適用される可能性があります。
具体的には、以下の6パターンのうちのいずれかに該当する場合は、取適法が適用されます。
パターン1 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 資本金の区分 | 3億1円以上の法人 | 3億円以下の法人(または個人事業者) | |
| 業務内容 |
| ||
パターン2 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 資本金の区分 | 1千万1円以上3億円以下の法人 | 1千万円以下の法人(または個人事業者) | |
| 業務内容 |
| ||
パターン3 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 従業員の区分 | 従業員300人超の法人 | 従業員300人以下の法人または個人事業者 | |
| 業務内容 |
| ||
パターン4 | |||
|---|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | ||
| 資本金の区分 | 5千万1円以上の法人 | 5千万円以下の法人(または個人事業者) | |
| 業務内容 |
| ||
パターン5 | ||
|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | |
| 資本金の区分 | 1千万1円以上5千万円以下の法人 | 1千万円以下の法人(または個人事業者) |
| 業務内容 |
| |
パターン6 | ||
|---|---|---|
| 委託者 | 受託者 | |
| 従業員の区分 | 従業員100人超の法人 | 従業員100人以下の法人または個人事業者 |
| 業務内容 |
| |
この他、業務委託契約に取適法が適用されるかどうかにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
取適法の4条明示とは?
取適法が適用される場合、委託者=委託事業者は、取適法第4条にもとづき、受託者=中小受託事業者に対して、取引の条件を明示しなければなりません。
この書面のことを、「4条明示」といいます。これは、旧下請法では3条書面と呼ばれていたものです。
【意味・定義】4条明示(取適法)とは?
4条明示(取適法)とは、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)第4条に規定された、委託事業者(旧親事業者)が中小受託事業者(旧下請事業者)に対し明示しなければならない事項(取引条件)をいう。旧下請法のいわゆる「3条書面」に代わるもの。
業務内容は取適法の4条明示の必須記載事項
この4条明示では、委託事業者は、「中小受託事業者の給付の内容」を必ず記載しなければなりません。
【意味・定義】給付の内容(取適法・フリーランス保護法)とは?
給付の内容とは、取適法またはフリーランス保護法が適用される場合における、中小受託事業者または特定受託事業者が委託事業者または業務委託事業者に対し給付する委託の内容(業務内容)をいう。
この「中小受託事業者の給付の内容」ですが、単に書けばいいというものではありません。
「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」によると、「中小受託事業者の給付の内容」については、次のとおり記載しなければなりません。
(3) 「中小受託事業者の給付の内容」とは、委託事業者が中小受託事業者に委託する行為が遂行された結果、中小受託事業者から提供されるべき物品及び情報成果物(役務提供委託又は特定運送委託をした場合にあっては、中小受託事業者から提供されるべき役務)であり、その品目、品種、数量、規格、仕様等を明示する必要がある。
また、主に、情報成果物作成委託に係る作成過程を通じて、情報成果物に関し、中小受託事業者の知的財産権が発生する場合において、委託事業者は、情報成果物を作成させるとともに、作成の目的たる使用の範囲を超えて知的財産権を自らに譲渡・許諾させることを「中小受託事業者の給付の内容」とすることがある。この場合は、委託事業者は、「中小受託事業者の給付の内容」の一部として、中小受託事業者が作成した情報成果物に係る知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明示する必要がある。
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第3 1(3)
フリー
また、特に、システム等開発業務委託契約では、次のとおり、「中小受託事業者が4条明示された内容を見て「給付の内容」を理解でき、委託事業者の指示に即した情報成果物を作成できる程度の情報を明示することが必要である」とされています。
同時に、「必要な限り明確化することが望ましい。」とされています。
- Q53:情報成果物作成委託においては、委託内容の全てを4条明示することは困難である場合があるが、その場合どの程度詳しく書かなければならないか。
- 委託内容の全てを明示することは困難であったとしても、中小受託事業者が4条明示された内容を見て「給付の内容」を理解でき、委託事業者の指示に即した情報成果物を作成できる程度の情報を明示することが必要である。
また、4条明示する「給付の内容」は、委託事業者として中小受託事業者に対し、やり直し等を求める根拠となるものでもあるので、必要な限り明確化することが望ましい。引用元:中小受託取引適正化法テキストp.46
実務上は4条明示=業務委託契約書となるようにする
このように、取適法が適用される業務委託契約では、4条明示が必須になります。
この点について、次のとおり、契約書において必須記載事項をすべて網羅したうえで取り交わした場合は、別に4条明示をする必要はありません。
(途中省略)委託事業者と中小受託事業者の間で取り交わされる契約書等の内容が、明示規則で定める明示事項を全て網羅している場合には、当該契約書等を交付する方法により4条明示とすることが可能であるので、別に書面又は電磁的記録を作成する必要はない。
引用元:中小受託取引適正化法テキストp.121
このため、業務委託契約の場合は、業務委託契約書が取適法第4条に適合していれば、業務委託契約書を4条明示としても差し支えありません。
逆に言えば、業務委託契約書で不明確な業務内容を記載すること自体が、取適法違反となります。
4条明示を交付しないと最大で罰金50万円の犯罪となる
なお、委託事業者が中小受託事業者に対し、4条明示を交付しない場合は、50万円以下の罰金が科されます。
取適法第14条(罰則)
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、五十万円以下の罰金に処する。
(1)第四条第一項の規定に違反して明示すべき事項を明示しなかつたとき。
(2)第四条第二項の規定に違反して書面を交付しなかつたとき。
(3)第七条の規定に違反して、書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又は虚偽の書類若しくは電磁的記録を作成したとき。
ポイントは、委託事業者である法人だけに罰金が科されるのではなく、その違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者にも罰金が科される、ということです。
取適法第16条(罰則)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
つまり、会社で50万円を払えばいい、というものではないのです。しかも、50万円とはいえ、いわゆる「前科」がつきます。
なお、委託事業者である法人にも、罰金は科されます。
下請法第12条(罰則)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
不明確な業務内容はフリーランス保護法違反
フリーランス保護法とは?
取適法と同様の規制として、フリーランス保護法による規制があります。
フリーランス保護法が適用される業務委託契約の場合、業務内容は、いわゆる3条通知の必須記載事項です。
フリーランス保護法は、正式名称を「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といい、委託者=業務委託事業者を規制し、受託者=特定受託事業者を協力に保護している法律です。
【意味・定義】フリーランス保護法(フリーランス新法)とは?
フリーランス保護法・フリーランス新法とは、正式には「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(別名:フリーランス・事業者間取引適正化等法)といい、フリーランスに係る取引の適正化、就業環境の整備等を図る法律をいう。
業務委託契約では、受託者が個人事業者か一人法人の場合、フリーランス保護法が適用される可能性があります。
具体的なフリーランス保護法が適用される具体的な条件は、以下のとおりです。
フリーランス保護法第3条が適用される条件
- 発注事業者が事業者であること(業種、規模、従業者の有無を問わない)。
- 受注事業者(フリーランス)が個人事業者または一人法人(役員が1人だけの法人)であり、かつ、いずれも従業員を使用しないものであること。
- 業務委託の内容が物品の製造・加工、情報成果物の作成、役務の提供(物品の修理を含み、発注事業者自らに役務の提供をさせることを含む)であること。
フリーランス保護法第3条が適用される条件のポイント
- 発注事業者としては、すべての事業者が対象となる。
- フリーランスは、個人事業者だけでなく役員が代表取締役だけの一人法人も対象となる。ただし、従業員を1人でも使用する場合は対象外となる。
- 従業員とは、「1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ、継続して31日以上雇用されることが見込まれる労働者」(派遣労働者を含む)のこと。
- 従業員には同居家族は含まれない。
- 取適法(旧下請法)とは異なり、役務の提供には建設工事も含まれる。
- 取適法(旧下請法)とは異なり、再委託のもののみならず、発注事業者が「その事業のために」委託するものや、「(発注事業者)自らに役務の提供をさせることを含む」。
この他、フリーランス保護法が用されるかどうかにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
フリーランス保護法の3条通知とは?
フリーランス保護法が適用される場合、委託者=業務委託事業者は、フリーランス保護法第3条にもとづき、受託者=特定受託事業者に対し、取引の条件を通知しなければなりません。
この書面のことを、「3条通知」といいます。
【意味・定義】3条通知(フリーランス保護法)とは?
3条通知とは、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス保護法)第3条に規定された、業務委託事業者(発注事業者)が特定受託事業者(フリーランス)に対し明示しなければならない通知(取引条件)をいう。
業務内容はフリーランス保護法の3条通知の必須記載事項
この3条通知では、委託者=業務委託事業者は、「特定受託事業者の給付の内容」を必ず記載しなければなりません。
【意味・定義】給付の内容(取適法・フリーランス保護法)とは?
給付の内容とは、取適法またはフリーランス保護法が適用される場合における、中小受託事業者または特定受託事業者が委託事業者または業務委託事業者に対し給付する委託の内容(業務内容)をいう。
この「特定受託事業者の給付の内容」ですが、単に書けばいいというものではありません。
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」によると、「特定受託事業者の給付の内容」については、次のとおり記載しなければなりません。
「給付(法第二条第三項第二号の業務委託の場合は、提供される役務。第六号において同じ。)の内容」とは、業務委託事業者が特定受託事業者に委託した業務が遂行された結果、特定受託事業者から提供されるべき物品及び情報成果物(役務の提供を委託した場合にあっては、特定受託事業者から提供されるべき役務)であり、3条通知において、その品目、品種、数量、規格、仕様等を明確に記載する必要がある。
また、委託に係る業務の遂行過程を通じて、給付に関し、特定受託事業者の知的財産権が発生する場合において、業務委託事業者は、目的物を給付させる(役務の提供委託については、役務を提供させる)とともに、業務委託の目的たる使用の範囲を超えて知的財産権を自らに譲渡・許諾させることを「給付の内容」とすることがある。この場合は、業務委託事業者は、3条通知の「給付の内容」の一部として、当該知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明確に記載する必要がある。
引用元: 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方第2部 第1 1(3)ウ
実務上は3条通知=業務委託契約書となるようにする
このように、フリーランス保護法が適用される業務委託契約では、3条通知が必須になります。
この点について、契約書において必須記載事項をすべて網羅したうえで取り交わした場合は、別に3条通知をする必要はありません。
このため、業務委託契約の場合は、業務委託契約書がフリーランス保護法第3条に適合していれば、業務委託契約書を3条通知としても差し支えありません。
逆に言えば、業務委託契約書で不明確な業務内容を記載すること自体が、フリーランス保護法違反となります。
「恣意的」な検査は取適法・フリーランス保護法違反
また、不明確な業務内容は、すでに触れたような、「恣意的」な検査の原因となります。
取適法やフリーランス保護法が適用される業務委託契約の場合、この「恣意的」な検査もまた、取適法やフリーランス保護法違反となります。
具体的には、次の禁止行為に該当します。
「恣意的」な検査による禁止行為(取適法)
- 受領拒否(取適法第5条第1項第1号)
- 返品(同第5条第1項第4号)
- 不当な給付内容の変更及び不当なやり直し(同第5条第2項第3号)
「恣意的」な検査による禁止行為(フリーランス保護法)
- 受領拒否(フリーランス保護法第5条第1項第1号)
- 返品(同第5条第1項第3号)
- 不当な給付内容の変更及び不当なやり直し(同第5条第2項第2号)
以下、それぞれ具体的に見てみましょう。
恣意的な検査による受領拒否
取適法やフリーランス保護法では、恣意的に厳しい検査基準を設定して、製品・成果物の受領を拒むことは、次のとおり受領拒否(取適法第5条第1項第1号・フリーランス保護法第5条第1項第1号)に該当し、認められません。
(イ)検査基準を恣意的に厳しくして、委託内容と異なるなどとする場合
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第4 1(2)(イ)
・ 業務委託後に検査基準を恣意的に厳しくすることにより、委託内容と適合しないとして、従来の検査基準であれば合格とされたものを不合格とする場合
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第2部 第2 2(2)ア(ウ)①
このため、委託事業者・業務委託事業者としては、検査基準が恣意的にならないよう、一義的・客観的なものとする必要があります。
恣意的な検査にもとづく返品
取適法やフリーランス保護法では、恣意的に厳しい検査基準を設定して、納入された製品・成果物を引き取らせることは、次のとおり返品(取適法第5条第1項第4号・フリーランス保護法第5条第1項第3号)に該当し、認められません。
イ 検査基準を恣意的に厳しくして、委託内容と異なるなどとする場合
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第4 4(2)イ
② 業務委託後に検査基準を恣意的に厳しくすることにより、委託内容と適合しないとして、従来の検査基準で合格とされたものを不合格とする場合
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第2部 第2 2(2)ウ(ア)②
このため、委託事業者や業務委託事業者としては、恣意的な検査にならないよう、一貫した検査基準で検査する必要があります。
恣意的な検査にもとづくやり直し
取適法やフリーランス保護法では、恣意的に厳しい検査基準を設定して、業務内容の変更や、実施された業務・納入された製品・成果物のやり直しを要請することは、次のとおり不当な給付内容の変更及び不当なやり直し(取適法第5条第2項第3号・フリーランス保護法第5条第2項第2号)に該当し、認められません。
ウ 検査基準を恣意的に厳しくして委託内容と異なること等があるとする場合
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第4 8(3)ウ
③ 業務委託後に検査基準を恣意的に厳しくし、給付の内容が委託内容と適合しないとする場合
引用元: 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第2部 第2 2(2)キ(オ)③
このため、委託事業者・業務委託事業者としては、適法なやり直しを要求できるように、明確な業務内容と検査基準の規定をする必要があります。
禁止行為をおこなった場合は勧告がある
委託事業者や業務委託事業者がこれらの禁止行為の規定に違反した場合、ただちに罰則とはなりません。
通常は、委託事業者や業務委託事業者に対し、公正取引委員会または中小企業庁から調査が入ります(この調査を拒むと50万円以下の罰金が科されます)。
この調査の結果、違反の程度が軽い場合は行政指導や助言で済みますが、違反の程度が重い場合は公正取引委員会から勧告を受けます。
勧告を受けると、企業名が公表されますので、社会的な制裁を受けることになります。
なお、勧告に従わない場合は、独占禁止法にもとづき、より重い行政処分である排除措置命令や課徴金納付命令が出されます。
もちろん、これに従わない場合は、最終的には刑事罰を受けることになります。
ポイント
- 不明確な業務内容は、取適法第3条・フリーランス保護法第3条違反となる。
- 恣意的な検査は、取適法・フリーランス保護法で禁止された「受領拒否」「返品」「不当な給付内容の変更及び不当なやり直し」の原因となる。
- 禁止行為をおこなった場合は、直ちに罰則を受けるわけでなく、勧告(+企業名の公表)や行政指導を受ける。
- ただし、勧告や行政指導を受けた後に、取適法・フリーランス保護法に適合するように改善しなければ、排除措置命令・課徴金納付命令の行政処分を受け、最終的には刑事罰が科される。
業務委託契約における検査委任・検査省略の取適法・フリーランス保護法のポイント
検査省略は自動的に合格となる
業務委託契約では、検査を実施しないことがあります
この点について、取適法・フリーランス保護法のいずれかが適用される業務委託契約の場合、委託者が検査を省略したときは、その検査は自動的に合格となります。
(3)なお、次のような場合には委託内容と異なること等があることを理由として中小受託事業者にその給付に係るものを引き取らせることは認められない。
(ア~エまで省略)
オ 給付に係る検査を省略する場合
(以下省略)
引用元:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第4 4(3)
(途中省略)なお、次のような場合は、委託内容と適合しないことを理由として特定受託事業者にその給付に係る物を引き取らせることは認められない。
(①~②まで省略)
③ 給付に係る検査を省略する場合
(以下省略)
引用元:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方第2部第2 2(2)ウ(ア)③
合格となる以上、いわゆる「返品」は認められません。
このため、取適法やフリーランス保護法が適用される業務委託契約の場合、委託者としては、安易に検査を省略するべきではありません。
検査委任は文書による委任がポイント
また、取適法やフリーランス保護法が適用される業務委託契約の場合に、委託者(委託事業者・業務委託事業者)が受託者(中小受託事業者・特定受託事業者)に対し、受入検査を委任する場合があります。
この場合は、文書・書面・電磁的方法での委任がポイントとなります。
委託者が受託者に対し受入検査を文書・書面・電磁的方法で委任していない場合、委託者は、給付の内容に不適合があったとしても、返品ができません。
(3)なお、次のような場合には委託内容と異なること等があることを理由として中小受託事業者にその給付に係るものを引き取らせることは認められない。
(ア~オまで省略)
カ 給付に係る検査を自社で行わず、かつ、当該検査を中小受託事業者に文書で委任していない場合
引用元:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第4 4(3)
(途中省略)なお、次のような場合は、委託内容と適合しないことを理由として特定受託事業者にその給付に係る物を引き取らせることは認められない。
(①~③まで省略)
④ 給付に係る検査を特定業務委託業者が行わず、かつ、当該検査を特定受託事業者に書面又は電磁的方法によって委任していない場合
引用元:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方第2部第2 2(2)ウ(ア)③
このため、取適法やフリーランス保護法が適用される場合、委託者が受託者に対し受入検査を委任する場合は、最低限、文書・書面・電磁的方法での委任が前提となります。
6ヶ月を経過した場合は返品不可(取適法のみ)
また、取適法に限ってですが、委託事業者が中小受託事業者に対し、文書で検査を委任していた場合、給付の内容に明らかな過失があったとしても、受領後6ヶ月を経過したときは、返品は認められません。
同様に、検査時に直ちに発見することのできない「委託内容と異なること等」があった場合も、受領後6ヶ月を経過したときは、返品は認められません。
ただし、中小受託事業者の給付を使用した委託事業者の製品について、一般消費者向けの保証期間がある場合は、最長で1年までは返品が可能な期間を設定できます。
(3)なお、次のような場合には委託内容と異なること等があることを理由として中小受託事業者にその給付に係るものを引き取らせることは認められない。
(ア~イまで省略)
ウ 給付に係る検査を中小受託事業者に文書により明確に委任している場合において当該検査に明らかな過失の認められる給付であっても、受領後6か月を経過した場合
エ 委託内容と異なること等のあることを直ちに発見することができない給付であっても、受領後6か月(中小受託事業者の給付を使用した委託事業者の製品について一般消費者に対し6か月を超える保証期間を定めている場合においては、それに応じて最長1年)を経過した場合
(以下省略)
引用元:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準第4 4(3)
ポイント
- 取適法・フリーランス保護法が適用される場合、検査については一定の規制がある。
- 委託者が受入検査を省略した場合、その検査は自動的に合格となり、委託者は、返品できない。
- 委託者が受託者に対し検査を文書で委任していない場合、委託者は、返品ができない。
- 委託者が受託者に対し文書で検査を委任していた場合、(給付の内容に明らかな過失があったとしても)納入=受領後6ヶ月を経過したときは、返品ができない。
- 検査時に直ちに発見できない隠れた「委託内容と異なること等」がある場合において、受託者の給付を使用した委託者の製品について、一般消費者向けの保証期間があるときは、最長で1年までは返品が可能な期間を設定できる。
業務委託契約における検査に関するよくある質問
- 業務委託契約における検査とは何ですか?
- 業務委託契約における「検査」とは、委託者が、受託者から実施された業務について、業務内容に適合しているかどうか確認し、その合否を判定する作業のことです。
- 契約書において、重要な検査の条項としては、どのようなものがありますか?
- 検査においては、検査仕様として、以下の3点を規定することが重要となります。
- 検査項目:「何を」検査するのか。
- 検査方法:「どのように」検査するのか。
- 検査基準:検査の結果、「何に」達していれば合格なのか。





