こんにちは。契約書作成専門・小山内行政書士事務所代表の小山内です。

このページでは、業務委託契約の契約条項のうち、報酬・料金・委託料の支払方法の条項について、簡単にわかりやすく解説しています。

業務委託契約の支払方法は、比較的金額が少ない場合は、銀行振込による現金での支払いとなります。

また、報酬・料金・委託料の金額が固定している、継続的な業務委託契約の場合は、口座引落やクレジットカードでの支払いもあります。

金額が多くなる場合は、現金の他に、手形や小切手による支払いもありえます。

ただし、最近では、電子決済サービスの普及にともない、手形・小切手での支払いは減少し、代わりに電子記録債権が普及しています。

このほか、ファクタリング等の一括決済方式などによる支払いもあります。

このページでは、こうした報酬・料金・委託料の支払方法のポイントについて、解説します。

なお、業務委託契約の定義と基本的な解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約書とは?その定義とポイントを簡単にわかりやすく解説

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少額の業務委託契約の支払方法は銀行振込

現金の場合は銀行振込が一般的

業務委託契約の支払方法は様々ですが、企業間取引に適用される商法の一般的な原則では、委託者が受託者の「現在の営業所」に現金を持参することとなっています。

商法第516条(債務の履行の場所)

1 商行為によって生じた債務の履行をすべき場所がその行為の性質又は当事者の意思表示によって定まらないときは、特定物の引渡しはその行為の時にその物が存在した場所において、その他の債務の履行は債権者の現在の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)において、それぞれしなければならない。

2 (省略)

しかし、よほど少額な報酬・料金・委託料であればともかく、一般的な企業間取引において、現金を直接持参して支払う、というのは現実的ではありません。

このため、少額な報酬・料金・委託料の場合、通常は、業務委託契約において、銀行振込による支払方法を規定します。

なお、振込手数料については、原則として=特約がない限り、委託者の負担となります(後に詳しく触れます)。

継続的な業務委託契約では口座引落・自動送金

また、継続的な業務委託契約であって、金額が固定のものであれば、口座引落による支払いもあります。

ただ、口座引落は初期の手続きが煩雑なため、業務委託契約では、一般的な支払方法ではありません(むしろBtoCの取引に利用されます)。

こうした金額が固定の継続的な支払いの場合、委託者が、口座引落と同様のサービスである、「自動送金」を利用することが多いです。

なお、いずれの場合も、手数料については、原則として=特約がない限り、委託者の負担となります(後に詳しく触れます)。

少額であればクレジットカードによる支払いも可能

業務委託契約ではクレジットカードでの支払いは一般的ではない

報酬・料金・委託料が少額であれば、受託者によっては、クレジットカードによる支払いも可能です。

もっとも、クレジットカードによる支払いの場合、受託者が加盟店としての審査に合格しなければなりません。

また、委託者の方も、クレジットカードを保有していないければなりません。

このため、クレジットカードによる支払いは、業務委託契約の支払方法としては、一般的ではありません。

委託者の手数料負担は加盟店規約で禁止されている

なお、クレジットカードの場合も、特約がない限り、支払いの手数料は委託者の負担となります(後に詳しく触れます)。

しかしながら、クレジットカードの加盟店規約では、支払いの手数料は、加盟店=受託者の負担となっています。

同時に、クレジットカードの加盟店規約では、クレジットカードの会員=委託者に手数料を負担させることは、禁止されています。

このため、業務委託契約では、特約で、手数料は受託者負担としなければなりません。

支払いに必要な費用は委託者の負担

民法の原則では債務者=お金を払う側=委託者の負担

いずれの支払方法にしても、お金の支払いに要する費用は、次のとおり、原則として、債務者=お金を支払う側=委託者の負担となります。

民法第485条(弁済の費用)

弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

このため、特に業務委託契約に支払いの費用負担について明記されていない場合は、費用は、委託者の負担となります。

言いかえれば、委託者は、手数料を差引いて銀行口座に振込むなど、勝手に手数料を受託者に負担させることはできません。

委託者・受託者ともに手数料の負担を明記する

なお、この民法第485条の規定は、特約によって変更できる条項です(いわゆる「任意規定」)。

このため、委託者として、どうしても支払いの手数料を負担したくない場合は、その旨を特約として業務委託契約に規定します。

また、受託者としては、この民法第485条の規定を委託者に確認してもらう意味でも、業務委託契約書に委託者の負担であることを、あえて記載するべきです。

相手方による振込手数料の負担を規定するべき理由

  • 委託者の場合:受託者に振込手数料を負担させる場合は、その旨を規定しておかないと、民法第485条に違反するため。
  • 受託者の場合:委託者に振込手数料を負担させる場合は、民法第485条の規定を確認してもらうため。

もっとも、受託者としては、ヘタに支払い手数料の負担を契約交渉のテーマとした結果、支払いの手数料を負担させられそうになることもあります。

この場合は、特に交渉のテーマとせず、後で民法第485条を盾に、委託者に手数料の負担を求めてもいいでしょう。

ポイント

  • 少額な業務委託契約の報酬・料金・委託料の支払方法は、原則として銀行振込。
  • 口座引落、自動振込、クレジットカード払いもできるが、一般的ではない。
  • いずれの方法であっても、支払いに関する手数料・費用は、民法法、委託者=支払う側の負担。
  • ただし、特約によって、支払いに関する手数料・費用を受託者の負担とすることは可能。

多額の支払方法は手形・小切手・電子記録債権

多額の報酬・料金・委託料の場合は銀行振込でないことも

業務委託契約の報酬・料金・委託料が多額になると、委託者によっては、現金による支払いではなく、約束手形を振り出して支払うこともあります。

現在でも、製造請負契約、建設工事請負契約、運送請負契約などでは、約束手形による支払いが多くあります。

また、業務委託契約では、非常に稀なパターンですが、小切手での支払いもあります。

もっとも、最近では、手形や小切手による支払いは大幅に減少しつつあり、代わりに、電子記録債権(でんさい)による支払いが普及しています。

【意味・定義】手形とは?

手形にはいくつかの種類がありますが、現在、企業間取引の決済手段・支払方法として使われているのは、約束手形です。

約束手形の定義

約束手形とは、有価証券の一種で、振出人が、受取人(またはその指図人)・手形所持人に対し、一定の期日(支払期日・満期)が到来した後で、現金を支払うことを約束して発行するものをいう。

このように、約束手形は一定の期日が到来しないと、満額が現金化されません。

ただ、一定の期日の到来前に、一定の手数料を支払って、金融期間(通常は銀行)に買取ってもらうことで、現金化することができます(これを「手形割引」といいます)。

また、手形割引ではなく、一種の決済手段として、第三者に対し、受取った手形で支払いをすることもできます(これを「裏書譲渡」といいます)。

【意味・定義】小切手とは?

小切手の定義

小切手とは、有価証券の一種で、振出人が、当座預金を開設する銀行に対し、その所持人または名宛人に対する支払いを委託するものをいう。

小切手は、約束手形と違って、所持人・名宛人は、即日、銀行で現金化することができます。

また、約束手形と同様に、裏書譲渡もできます。

【意味・定義】電子記録債権(でんさい)とは?

電子記録債権とは、電子記録債権法によると、次のとおりです。

電子記録債権法第2条(定義)

1 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。

(以下省略)

電子記録債権の定義

電子記録債権とは、電子記録債権法にもとづく電子的な債権のことで、電子債権記録機関による電子的な記録により、手形や債権譲渡と同様の決済を電子的にできるものをいう。

電子記録債権は、政府の指定を受けた電子債権記録機関に発生・譲渡などを記録することにより、決済手段として活用できる債権です。

実質的には、手形と同様の取引きとなりますが、次のようなメリットがあります。

電子記録債権のメリット

  • 手形に比べて、作成・交付・保管などの事務コストが少ない。
  • 手形に比べて、盗難・紛失のリスクがない。
  • 手形と違って、印紙税の負担がない。

約束手形による支払いは書き方によって内容が変わる

約束手形による「支払い」か「代物弁済」か

約束手形による支払いの場合は、業務委託契約書に、その旨を明記します。

この際、書き方によって、その性質が、「支払い」か「代物弁済」のいずれかに該当します。

約束手形の支払方法の書き方

  • 【支払い】委託者は、本件業務の対価の支払いのために、約束手形を振り出すものとする。
  • 【代物弁済】委託者は、本件業務の対価の支払いに代えて、約束手形を振り出すものとする。

「支払い」は受託者にとって有利

前者の場合、つまり約束手形を「支払い」として降り出した場合、約束手形を単に支払手段のひとつとして規定しているに過ぎません。

このため、仮に手形が不渡りとなったり失効したりした場合であっても、受託者は、委託者に対して、改めて支払いを請求できます(大審院判決大正11年4月8日)。

つまり、この規定は、受託者にとって有利な規定となります。

「代物弁済」は委託者にとって有利

これに対して、後者の場合は、つまり約束手形を「支払いに代えて」振り出した場合、約束手形の振り出しは、支払いではなく、代物弁済(民法第482条)となります(学説)。

代物弁済とは、他の給付(この場合は支払い=金銭以外の給付)をすることによって、債務(この場合は金銭の支払債務)を消滅させることです。

つまり、後者の場合は、約束手形を振り出す代わりに、金銭の支払債務を消滅させることになります。

この場合、仮に約束手形が不渡りとなったり失効したりした場合であっても、支払債務自体が消滅しているため、受託者は、委託者に対して、改めて支払いを請求することはできません。

このため、この規定は、委託者にとって有利な規定です。

ポイント

  • 多額の業務委託契約の報酬・料金・委託料の支払方法は、銀行振込でないこともある。
  • 約束手形とは、有価証券の一種で、振出人が、受取人(またはその指図人)・手形所持人に対し、一定の期日(支払期日・満期)が到来した後で、現金を支払うことを約束して発行するもの。
  • 小切手とは、有価証券の一種で、振出人が、当座預金を開設する銀行に対し、その所持人または名宛人に対する支払いを委託するもの。
  • 電子記録債権等の電子決済サービスの普及によって、手形・小切手による支払いは大幅に減少しつつある。
  • 約束手形による支払いは、契約書の書き方によって、支払いか代物弁済のどちらかに該当する。

3種類の一括決済方式による支払いとは?

【意味・定義】一括決済方式とは?

このほか、業務委託契約では、「一括決済方式」という支払方法もあります。

一括決済方式は、電子記録債権と同様に、手形に代わるものとして普及した支払方法です。

一括決済方式の定義

一括決済方式とは、委託者と受託者に加えて、金融機関(主に銀行やファクタリング会社)との三面契約・三者契約により、委託者から受託者への支払いにもとづく金銭債権について、委託者と受託者の間に金融機関を入れることで、受託者への金銭の貸付または支払いによって、委託者からの支払いを現金化する支払方法をいう。

電子記録債権とは違って、銀行やファクタリング会社が直接当事者として関与して、受託者に対して金銭の貸付または支払いをすることによって、受託者が現金を受取ることができる、という特徴があります。

代表定期な一括決済方式としては、債権譲渡担保方式、ファクタリング方式(債権買取方式)、併存的債務引受方式の3つがあります。

【意味・定義】1.債権譲渡担保方式とは?

下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則第1条第1項第6号によると、「債権譲渡担保方式」とは、次のとおりです。

債権譲渡担保方式の定義

債権譲渡担保方式(下請事業者が、下請代金の額に相当する下請代金債権を担保として、金融機関から当該下請代金の額に相当する金銭の貸付けを受ける方式)

【意味・定義】2.ファクタリング方式とは?

下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則第1条第1項第6号によると、「ファクタリング方式」とは、次のとおりです。

ファクタリング方式の定義

ファクタリング方式(下請事業者が、下請代金の額に相当する下請代金債権を金融機関に譲渡することにより、当該金融機関から当該下請代金の額に相当する金銭の支払を受ける方式)

なお、ファクタリング方式は、債権譲渡ですから、売掛債権を譲り受けたファクタリング会社は、受託者や第三者に対して、「その売掛債権は当社が譲り受けました」と主張できるよう、対抗要件を具備する必要があります。

ファクタリング会社が、この対抗要件を具備するためには、次のいずれかの手続きが必要となります。

債権譲渡・ファクタリングの対抗要件

  • 受託者(売掛債権の譲渡人)からの確定日付がある通知=内容証明による郵送の通知
  • 委託者(報酬・料金・委託料の支払いの債務者)が作成する債権譲渡の承諾書への確定日付(公証役場の確定日付印)の押印

ちなみに、一括決済方式のなかの「信託方式」は、少なくとも下請法上は、次のとおりファクタリング方式に含まれます。

Q107: 信託方式(親事業者に対する下請事業者の債権を信託銀行に信託譲渡することにより下請事業者が信託受益権を取得し,下請事業者の要望に応じて信託銀行が当該信託受益権を投資家に販売することにより,下請事業者が信託銀行から金銭の支払を受ける方式)による一括決済の方式は,本法又は独占禁止法上問題ないか。
A: 本問のような信託を用いた一括決済方式は,「下請代金支払遅延等防止法第3条の書面の記載事項等に関する規則」にいう「ファクタリング方式」に該当すると考えられるので,制度自体が本法又は独占禁止法上禁止されるものではないが,「一括決済方式が下請代金の支払手段として用いられる場合の下請代金支払遅延等防止法及び独占禁止法の運用について」(165ページ,資料9参照)及び「一括決済方式が下請代金の支払手段として用いられる場合の指導方針について」(166ページ,資料 10 参照)に則った形で実施される必要がある。

【意味・定義】3.併存的債務引受方式とは?

下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則第1条第1項第6号によると、「併存的債務引受方式」とは、次のとおりです。

併存的債務引受方式の定義

併存的債務引受方式(下請事業者が、下請代金の額に相当する下請代金債務を親事業者と共に負った金融機関から、当該下請代金の額に相当する金銭の支払を受ける方式)

ポイント

  • 一括決済方式とは、委託者と受託者に加えて、金融機関(主に銀行やファクタリング会社)との三面契約・三者契約により、委託者から受託者への支払いにもとづく金銭債権について、委託者と受託者の間に金融機関を入れることで、受託者への金銭の貸付または支払いによって、委託者からの支払いを現金化する支払方法をいう。
  • 債権譲渡担保方式とは、受託者が、報酬・料金・委託料の額に相当する金銭債権を担保として、金融機関から当該報酬・料金・委託料の額に相当する金銭の貸付けを受ける方式のこと。
  • ファクタリング方式とは、受託者が、報酬・料金・委託料の額に相当する金銭債権を金融機関に譲渡することにより、当該金融機関から当該報酬・料金・委託料の額に相当する金銭の支払を受ける方式のこと。
  • いわゆる「信託方式」は、下請法上はファクタリング方式に該当する。
  • 併存的債務引受方式とは、受託者が、報酬・料金・委託料の額に相当する金銭債務を委託者と共に負った金融機関から、当該報酬・料金・委託料の額に相当する金銭の支払を受ける方式のこと。

委託者は下請法違反に注意

手形・小切手・電子記録債権・一括決済方式は下請法に注意

下請法が適用される業務委託契約の場合に、現金以外の支払方法(手形・小切手・電子記録債権・一括決済方式)で支払うときは、委託者=親事業者は、下請法によって、様々な制約を受けます。

下請法そのものにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法とは?中小零細企業・個人事業者・フリーランスの味方の法律

また、下請法が適用される業務委託契約につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法が適用される4つの業務委託契約のパターン

支払方法は三条書面の必須記載事項

下請法が適用される場合、委託者=親事業者は、受託者=下請事業者に対して、契約内容を記載した書面を交付しなければなりません。

この書面を、「三条書面」といい、実務上は、業務委託契約書が三条書面に該当するように作成します。

三条書面につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法の三条書面とは?―業務委託契約書の12の必須事項

支払方法を手形、一括決済方式、電子記録債権のいずれかとした場合、三条書面には、次の内容を記載しなければなりません。

三条書面の必須記載事項

  • 手形を交付する場合は,手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期
  • 一括決済方式で支払う場合は,金融機関名,貸付け又は支払可能額,親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
  • 電子記録債権で支払う場合は,電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日

下請法では現金払いが原則

支払方法については、下請法では、現金払いを原則としています。

また、下請事業者による現金化のコストや、支払いサイトについても、次のようになっています。

下請代金の支払手段について

  1. 下請代金の支払は、できる限り現金によるものとすること。
  2. 手形等により下請代金を支払う場合には、その現金化にかかる割引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることのないよう、これを勘案した下請代金の額を親事業者と下請事業者で十分協議して決定すること。
  3. 下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めること。

ただし、上記は、あくまで業界団体に対する「要請」であり、法的拘束力があるものではありません。

「割引困難な手形の交付の禁止」

もっとも、法的拘束力がないとはいえ、「支払手形の手形期間が,繊維業において90日を,その他の業種において120日を超えるものは,下請法が禁止する『割引困難な手形の交付の禁止』に違反するおそれがあるものとして指導する。」((平成28年12月14日)下請代金の支払手段について:公正取引委員会)とされています。

ここでいう、「割引困難な手形の交付の禁止」は、下請法第4条第2項第2号にもとづき、親事業者=委託者が禁止されている行為のひとつです。

下請法第4条(親事業者の遵守事項)

(第1項省略)

親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号(役務提供委託をした場合にあつては、第1号を除く。)に掲げる行為をすることによつて、下請事業者の利益を不当に害してはならない。

1 (省略)

2 下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。

(以下省略)

ポイント

  • 手形・一括決済方式・電子記録債権は、下請法の三条書面の必須記載事項。
  • 下請法では、現金払いが原則とされる。
  • 委託者が割引困難な手形の交付をすることは、下請法違反の禁止行為。

受託者は領収書を発行する義務がある

どのような支払方法であるにせよ、受託者は、委託者に対し、領収書を発行する義務があります。

これは、次のとおり、民法で規定されている委託者(=債務者)の権利です。

民法第486条(受領証書の交付請求)

弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。

逆にいうと、領収書の交付がない場合は、料金・報酬の支払いを拒否することができます(同時履行の抗弁権・大審院判決昭和16年3月1日)。

なお、銀行振込の場合であっても、その振込内容の詳細を明らかにするために、委託者は、受託者に対して、領収書の交付を請求することができます。

この場合、受託者は、領収書に、振込日時、取扱金融機関名、実際の振込名義人、その他の詳細を記入したうえで交付します。

ポイント

どのような支払方法であれ、受託者は、民法第486条にもとづき、領収書を発行する義務がある。