このページでは、下請法が適用される取引の親事業者下請事業者に向けて、下請法第3条に規定されている書面(以下、「三条書面」といいます)について解説しています。

三条書面とは、下請法第三条にもとづき、親事業者が作成し、下請事業者に対し、交付しなければならない書面のことです。

下請法が適用される業務委託契約の場合、委託者(親事業者)は、受託者(下請事業者)に対し、三条書面を交付しなければなりません(三条書面の不交付は罰金が科されます)。

そこで、実務上は、業務委託契約書や注文書(+取引基本契約書)が三条書面の要件を満たすように考慮して作成します。

具体的には、公正取引委員会が定める「下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則」を満たした内容にします。

このページでは、こうした三条書面の基本や業務委託契約書を三条書面とする場合の注意点について、開業20年・400社以上の取引実績がある管理人が、わかりやすく解説していきます。

このページをご覧いただくことで、下請法の遵守をはじめ、以下の内容を理解できます。

このページでわかること
  • 三条書面の定義。
  • 三条書面の必須記載事項。
  • 業務委託契約書を三条書面にする場合のポイント。
  • 電磁的方法や電子契約による三条書面の交付のポイント。
  • 三条書面の不交付による下請法違反の罰則、リスク。

なお、下請法そのものにつきましては、以下のページをご覧ください。

下請法とは?中小零細企業・個人事業者・フリーランス=業務委託契約の受託者の味方の法律




【意味・定義】三条書面とは?

親事業者が下請事業者に対して交付する義務がある書面

三条書面とは、下請法(正式には「下請代金支払遅延等防止法」)第3条に規定されている書面です。

下請法第3条(書面の交付等)

1 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。ただし、これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。

2 親事業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該下請事業者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて公正取引委員会規則で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該親事業者は、当該書面を交付したものとみなす。

【意味・定義】三条書面(下請法)とは?

三条書面(下請法)とは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第3条に規定された、親事業者が下請事業者に対し交付しなければならない書面をいう。

公正取引委員会規則=「下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則」

下請法第3条に規定する「公正取引委員会規則」とは、「下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則」のことです。

この規則は、正式名称が非常に長いので、「下請法三条規則」、「三条書面規則」、「三条規則」と省略されます。

実際に三条書面を作成する際には、下請法第3条とともに、下請法三条規則も併せて確認しながら作成します。

親事業者が下請事業者に対し、下請法第3条と下請法三条規則に適合した書面を交付して、はじめて三条書面を交付したことになります。

逆にいえば、下請法第3条と下請法三条規則に適合していない書面を交付しても、三条書面を交付したことにはなりません。

下請法の対象かどうかの条件とは?

なお、下請法が適用される対象かどうかの条件は、以下のパターンのいずれかとなります。

パターン1
親事業者下請事業者
資本金の区分3億1円以上3億円以下(または個人事業者)
業務内容
  1. 製造委託
  2. 修理委託
  3. 情報成果物作成委託(プログラムの作成に限る
  4. 役務提供委託(運送・物品の倉庫保管、情報処理に限る
パターン2
親事業者下請事業者
資本金の区分1千万1円以上3億円以下1千万円以下(または個人事業者)
業務内容
  1. 製造委託
  2. 修理委託
  3. 情報成果物作成委託(プログラムの作成に限る
  4. 役務提供委託(運送・物品の倉庫保管、情報処理に限る
パターン3
親事業者下請事業者
資本金の区分5千万1円以上5千万円以下(または個人事業者)
業務内容
  1. 情報成果物の作成(プログラムの作成以外のもの)
  2. 役務提供委託(運送・物品の倉庫保管、情報処理以外のもの)
パターン4
親事業者下請事業者
資本金の区分1千万1円以上5千万円以下1千万円以下(または個人事業者)
業務内容
  1. 情報成果物の作成(プログラムの作成以外のもの)
  2. 役務提供委託(運送・物品の倉庫保管、情報処理以外のもの)

これらのパターンのいずれかに該当する場合は、下請法の適用対象となり、親事業者は、下請事業者に対し、三条書面を交付しなければなりません。

これらの下請法が適用されるかどうかの条件につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法の対象かどうかの条件とは?

ポイント
  • 下請法における三条書面とは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第3条に規定された、親事業者が下請事業者対し交付しなければならない書面のこと。
  • 下請法第3条と下請法三条規則に適合した三条書面を交付しなければ、親事業者は三条書面を交付したことにならない。





三条書面で記載する12の必須事項

三条書面の記載事項一覧

下請法第3条と下請法三条規則では、以下の内容が、三条書面の記載事項とされています。

三条書面の必須記載事項

  1. 親事業者及び下請事業者の名称(番号、記号等による記載も可)
  2. 製造委託、修理委託、情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
  3. 下請事業者の給付の内容(役務提供委託の場合は、提供される役務の内容)
  4. 下請事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は、役務が提供される期日又は期間)
  5. 下請事業者の給付を受領する場所(役務提供委託の場合は、役務が提供される場所)
  6. 下請事業者の給付の内容(役務提供委託の場合は、提供される役務の内容)について検査をする場合は、その検査を完了する期日
  7. 下請代金の額
  8. 下請代金の支払期日
  9. 下請代金の全部又は一部の支払につき、手形を交付する場合は、その手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期
  10. 下請代金の全部又は一部の支払につき、一括決済方式で支払う場合は、金融機関名、貸付け又は支払を受けることができることとする額、親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
  11. 下請代金の全部又は一部の支払につき、電子記録債権で支払う場合は、電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日
  12. 原材料等を有償支給する場合は、その品名、数量、対価、引渡しの期日、決済期日及び決済方法




1.親事業者及び下請事業者の名称(番号,記号等による記載も可)

「親事業者及び下請事業者の名称」は、文字どおり親事業者と下請事業者の名称(商号や屋号等)のことです。

番号や記号等による記載も可能ですが、この場合は、「事業者別に付された」ものであり、かつ、「親事業者及び下請事業者を識別できるもの」でなければなりません。

下請代金支払遅延等防止法第三条の書面の記載事項等に関する規則第1条

1 下請代金支払遅延等防止法(以下「法」という。)第三条の書面には、次に掲げる事項を明確に記載しなければならない。

(1)親事業者及び下請事業者の商号、名称又は事業者別に付された番号、記号その他の符号であって親事業者及び下請事業者を識別できるもの

2(以下省略)

なお、一般的な発注書・注文書を三条書面として運用する場合は、より厳格に当事者を識別できるよう、契約書の署名欄・記名欄と同様に、称号・名称に加えて、住所・所在地、署名者・記名者の役職と氏名を記載します。

2.製造委託,修理委託,情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日

下請法では製造委託等をした日=発注日

「製造委託,修理委託,情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日」=製造委託等をした日とは、いわゆる「発注日」のことです。

なお、以下のとおり、発注日とは必ずしも契約締結の日とは限らず、「契約締結までに日数を要するのであれば、」親事業者は、下請事業者に対し、契約書とは別に、あらかじめ三条書面を交付しなければなりません。

Q32:3条書面は様式を問わないので契約書を3条書面とすることも可能と聞いたが、発注後、契約締結まで日数を要する場合、どの程度までなら「直ちに」交付したといえるか。
A:「直ちに」とは「すぐに」という意味である。親事業者には、発注した場合「直ちに」書面を交付する義務があるので、発注から契約締結までに日数を要するのであれば、発注後、直ちに交付したとはいえない。そのような場合には、契約書とは別に必要事項を記載した書面(3条書面)を、発注後直ちに交付しなければならない。

フリーランス保護法では業務委託の合意日=契約成立の日

これに対し、フリーランス保護法では、三条通知において、「業務委託(略)をした日」を明示する義務があります。

公正取引委員会関係特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行規則第1条

1 業務委託事業者は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に法律(以下「法」という。)第三条第一項に規定する明示(以下単に「明示」という。)をするときは、次に次に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供により、示さなければならない。

(途中省略)

(2)業務委託(法第二条第三項に規定する業務委託をいう。以下同じ。)をした日

この「業務委託(略)をした日」とは、いわゆる「契約成立の日」のことです。

業務委託をした日は、次のとおり、発注事業者とフリーランスとの間で、「業務委託をすることについて合意した日」とされています。

イ 業務委託をした日(本法規則第1条第1項第2号)
業務委託(法第二条第三項に規定する業務委託をいう。以下同じ。)をした日」とは、業務委託事業者と特定受託事業者との間で、業務委託をすることについて合意した日をいう。

つまり、フリーランス保護法の「業務委託をした日」は、下請法とは異なり、「発注日」ではなく「契約締結の日」のことを意味しています。

このため、下請法とフリーランス保護法が重畳適用される場合は、発注日と契約締結の日をそれぞれ分けて記載する必要がある場合があります。

3.下請事業者の給付の内容

業務内容は「品目、品種、数量、規格、仕様等を明確に記載する」

「下請事業者の給付の内容」とは、いわゆる「業務内容」のことです。

「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」によると、「下請事業者の給付の内容」については、次のとおり記載しなければなりません。

(3) 3条書面に記載する「下請事業者の給付の内容」とは,親事業者が下請事業者に委託する行為が遂行された結果,下請事業者から提供されるべき物品及び情報成果物(役務提供委託をした場合にあっては,下請事業者から提供されるべき役務)であり,3条書面には,その品目,品種,数量,規格,仕様等を明確に記載する必要がある。

また、特に、システム等開発業務委託契約では、次のとおり、「下請事業者が3条書面を見て『給付の内容』を理解でき,親事業者の指示に即した情報成果物を作成できる程度の情報を記載することが必要である。」とされています。

Q34: 情報成果物作成委託においては,委託内容の全てを3条書面に記載することは困難である場合があるが,その場合どの程度詳しく書かなければならないか。
A:委託内容の全てを記載することは困難であったとしても,下請事業者が3条書面を見て「給付の内容」を理解でき,親事業者の指示に即した情報成果物を作成できる程度の情報を記載することが必要である。
また,3条書面の「給付の内容」の記載は,親事業者として下請事業者に対し,やり直し等を求める根拠となるものでもあるので,必要な限り明確化することが望ましい。

この他、業務内容の基本的な解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約書における業務内容の決め方・書き方と全行程を解説

知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明確に記載する

なお、成果物の作成を通じて、下請事業者の知的財産権が発生する場合は、三条書面の「下請事業者の給付の内容」=業務内容として、次のとおり、知的財産権の譲渡または許諾の範囲を明確に記載する必要があります。

(3)(途中省略)
また,主に,情報成果物作成委託に係る作成過程を通じて,情報成果物に関し,下請事業者の知的財産権が発生する場合において,親事業者は,情報成果物を提供させるとともに,作成の目的たる使用の範囲を超えて知的財産権を自らに譲渡・許諾させることを「下請事業者の給付の内容」とすることがある。この場合は,親事業者は,3条書面に記載する「下請事業者の給付の内容」の一部として,下請事業者が作成した情報成果物に係る知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明確に記載する必要がある。

よって、下請事業者の知的財産権が発生する下請取引の場合は、知的財産権の譲渡または利用許諾等についても合意のうえ、その内容について、三条書面や個別契約書に記載する必要があります。

この他、業務委託契約における成果物の知的財産権の帰属・権利処理のしかたにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における成果物の知的財産権の帰属や権利処理のしかたとは?

4.下請事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は,役務が提供される期日又は期間)

「下請事業者の給付を受領する期日」とは、いわゆる「納期」のことです。

また、納入がない契約の場合は、役務の「提供期日または提供期間」のことを意味します。

下請法の条文上は、「期限」という表現はありませんが、実務上は、契約書において、以下のいずれかの記載をすることが多いです。

期限・期日・期限の記載
  • 成果物の納入または役務提供の期日
  • 成果物の納入または役務の提供の期限
  • 役務提供の期間

納期、納入期日・納入期限、作業期日・作業期間等の解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

納期(納入期限・納入期日)・作業期間(役務提供期間)とは?契約条項のポイントを解説

5.下請事業者の給付を受領する場所

「下請事業者の給付を受領する場所」とは、物品や成果物を納入するタイプの委託では、いわゆる「納入場所・納品場所」のことです。

また、物品を納入しないタイプの委託では、「作業・役務の提供場所」になります。

なお、「給付」の内容によっては、物品・成果物の納入と作業の提供の両者が発生することがありますので、その場合は両者を規定します。

この他、納入場所につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

納入・納入方法・納入場所とは?書き方・規定のしかたは?

6.下請事業者の給付の内容について検査をする場合は,検査を完了する期日

検査を実施する場合は検査期間を設定する

「検査を完了する期日」とは、親事業者が受入検査をする場合における、検査完了日のことで、一般的には検査期間の最終日のことを意味します。

契約実務上は、納入・納品のが完了した日から起算して、具体的な日付を区切って指定することが多いです。

【契約条項の書き方・記載例・具体例】検査に関する条項

第○条(検査)

受託者からの本件製品の納入があった場合、委託者は、納入があった日から起算して10日以内に、納入された本件製品の検査を実施するものとする。

(※便宜上、表現は簡略化しています)




なお、この記載事項は、あくまで「検査をする場合は」とあるとおり、検査がある場合に限った内容であり、検査をしない場合は記載する必要はありません。

この他、検査期間の解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における検査期間・検査期限と検査手続きとは?書き方・規定のしかたは?

受入検査の省略=自動合格扱い

なお、下請法が適用される業務委託契約の場合、親事業者(委託者)が検査を省略したときは、その検査は自動的に合格となります。

合格となる以上、いわゆる「返品」は認められません。

なお、次のような場合には委託内容と異なること又は瑕疵等があることを理由として下請事業者にその給付に係るものを引き取らせることは認められない。
(途中省略)
オ 給付に係る検査を省略する場合

このため、下請法が適用される業務委託契約、特に製造請負契約の場合は、親事業者としては、安易に検査を省略するべきではありません。

下請事業者に受入検査を検査を委任する場合は必ず文書でおこなう

また、下請法が適用される業務委託契約の場合、受入れに関する「検査を下請事業者に文書で委任」している場合を除き、検査の省略は、自動的に合格扱いになります。

なお、次のような場合には委託内容と異なること又は瑕疵等があることを理由として下請事業者にその給付に係るものを引き取らせることは認められない。
(途中省略)
カ 給付に係る検査を自社で行わず,かつ,当該検査を下請事業者に文書で委任していない場合

親事業者が下請事業者に対し検査を委任する場合は、最低限、文書での委任が前提となります。

この他、検査に関する条項につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における検査(検査項目・検査方法・検査基準)とは?書き方・規定のしかたは?

7.下請代金の額(算定方法による記載も可)

あくまで金額で規定することが原則

下請代金の額とは、報酬や委託料の金額または計算方法です。

「(算定方法による記載も可)」とありますが、あくまで原則としては、金額で規定することとなります。

3条書面には、原則として下請代金の額を具体的な金額で記載しなければならないが、具体的な金額を記載することが困難なやむを得ない事情がある場合には、下請代金の額として具体的な金額を定めることとなる算定方法を記載することが認められる。ただし、算定方法は、下請代金の額の算定根拠となる事項が確定すれば、具体的な金額が自動的に確定するものでなければならない。算定方法を定めた書面と3条書面が別のものである場合においては、これらの書面の相互の関連性(関連付け)を明らかにしておく必要がある。

金額が確定したら別途書面で通知する

また、計算方法により記載した場合は、金額が確定したときは、親事業者は、下請事業者に対し、直ちに金額を書面で交付しなければばりません。

また、下請代金の具体的な金額を確定した後、速やかに下請事業者に当該金額を通知する必要がある

● 補充書面の交付
当初書面に記載されていない事項について、下請事業者と十分に協議をした上で速やかに定めなくてはならず、その内容が確定した後は、直ちに、当該事項を記載した書面(補充書面)を交付しなければならない。また、これらの書面については相互の関連性が明らかになるようにする必要がある(※)。
※当初書面の内容を補充する書面であることが分かればよく、例えば、当初書面と補充書面とで同じ注文番号を用いたり、補充書面に「本注文書は○年○月○日付けの注文書の記載事項を補充

この他、報酬・料金の金額・計算方法につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約書における報酬・料金の決め方・書き方とは?

8.下請代金の支払期日

「下請代金の支払期日」は、文字どおり下請代金の支払期日・支払期限のことです。

下請法の正式名称が「下請代金支払遅延等防止法」であるとおり、この支払期日・支払期限の記載は、最も重要です。

下請法では、支払期日は、「給付を受領した日」や「役務の提供を受けた日」から起算して最長でも60日となっています。

下請法による支払期日の制限

下請法が適用される業務委託契約における支払期日は、親事業者による検査の有無にかかわらず、親事業者が下請事業者からの給付を受領した日・役務の提供を受けた日、つまり納入があった日または業務が終了した日(初日を算入する)から起算して60日以内が最長。

この制限のことを、「60日ルール」といいます。

【意味・定義】60日ルール(下請法)とは?

60日ルールとは、下請法が適用される業務委託契約における支払代金の支払期日について、検査の有無にかかわらず、親事業者が下請事業者からの給付を受領した日・役務の提供を受けた日(初日を算入する)から起算して60日以内を最長とするルールをいう。

なお、下請法の60日ルールには、「初日不算入の原則」は適用されず、初日を算入しますので、注意してください。

【意味・定義】初日不算入の原則とは?

初日不算入の原則とは、日、週、月または年によって期間を定めた場合、期間の初日は算入しない原則をいう。

民法第140条(初日不算入の原則)

日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

この他、下請法の60日ルールにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法の「60日ルール」とは?例外やいつから数えるのか等について解説

また、支払期限につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における支払期限・支払期日とは?契約条項について解説?

9.手形を交付する場合は,手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期

手形=約束手形

「手形の金額」は、下請代金のうちの手形による支払いの金額のことを意味します。

また、「(支払比率でも可)」とあるとおり、下請代金全体に占める現金と手形の支払比率の記載でも構いません。

なお、手形にはいくつかの種類がありますが、現在、企業間取引の決済手段・支払方法として使われているのは、約束手形です。

【意味・定義】約束手形とは?

約束手形とは、有価証券の一種で、振出人が、受取人(またはその指図人)・手形所持人に対し、一定の期日(支払期日・満期)が到来した後で、現金を支払うことを約束して発行するものをいう。

下請法では現金払いが原則

支払方法については、下請法では、現金払いを原則としています。

また、下請事業者による現金化のコストや、支払いサイトについても、次のようになっています。

下請代金の支払手段について

  1. 下請代金の支払は、できる限り現金によるものとすること。
  2. 手形等により下請代金を支払う場合には、その現金化にかかる割引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることのないよう、これを勘案した下請代金の額を親事業者と下請事業者で十分協議して決定すること。
  3. 下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めること。

ただし、上記は、あくまで業界団体に対する「要請」であり、法的拘束力があるものではありません。

この他、手形による支払いにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における支払方法とは?書き方・規定のしかたは?

10.一括決済方式で支払う場合は,金融機関名,貸付け又は支払可能額,親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日

「貸付け又は支払可能額」は、下請代金のうち、どの程度の金額を一括決済方式で支払うのかを意味します。

「親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日」は、下請代金を引出せる期日、つまり支払期限に相当する日付です。

一括決済方式は、電子記録債権と同様に、手形に代わるものとして普及した支払方法です。

【意味・定義】一括決済方式とは?

一括決済方式とは、委託者と受託者に加えて、金融機関(主に銀行やファクタリング会社)との三面契約・三者契約により、委託者から受託者への支払いにもとづく金銭債権について、委託者と受託者の間に金融機関を入れることで、受託者への金銭の貸付または支払いによって、委託者からの支払いを現金化する支払方法をいう。

電子記録債権とは違って、銀行やファクタリング会社が直接当事者として関与して、受託者に対して金銭の貸付または支払いをすることによって、受託者が現金を受取ることができる、という特徴があります。

代表的な一括決済方式としては、債権譲渡担保方式、ファクタリング方式(債権買取方式)、併存的債務引受方式の3つがあります。

この他、一括決済方式による支払いにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における支払方法とは?書き方・規定のしかたは?

11.電子記録債権で支払う場合は,電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日

「電子記録債権の額」は、下請代金のうち、電子記録債権で支払われる金額のことを意味します。

「電子記録債権の満期日」は、電子記録債権法第16条第1項2号に規定する支払期日、つまり支払期限に相当する日のことです。

下請代金の支払期日から電子記録債権の満期日(電子記録債権法第16条第1項2号に規定する支払期日をいう。)までの期間(手形の交付日から手形の満期までの期間に相当)は,120日以内(繊維業の場合は90日以内)とすること。

電子記録債権は、政府の指定を受けた電子債権記録機関に発生・譲渡などを記録することにより、決済手段として活用できる債権です。

電子記録債権法第2条(定義)

1 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。

(以下省略)

【意味・定義】電子記録債権とは?

電子記録債権とは、電子記録債権法にもとづく電子的な債権のことで、電子債権記録機関による電子的な記録により、手形や債権譲渡と同様の決済を電子的にできるものをいう。

この他、電子記録債権による支払いにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

業務委託契約における支払方法とは?書き方・規定のしかたは?

12.原材料等を有償支給する場合は,品名,数量,対価,引渡しの期日,決済期日及び決済方法

「有償支給」とは、売買契約によって原材料等を支給することを意味します。

このため、この記載事項は、いわば売買契約に関する基本的な規定するよう求めています。

なお、有償支給原材料等の対価の早期決済は、下請法第4条第2項第1号において禁止されています。

原材料等を有償支給した場合は、三条書面の記載事項も増えます。

また、最終的に製品は下請事業者から納入されるわけですから、親事業者としては、よほど必要に迫られない限り、原材料等は無償支給とするべきです。





業務委託契約書=三条書面にできる

三条書面の記載事項を網羅していれば業務委託契約書だけでいい

下請法が適用される場合、親事業者は、下請事業者に対し、原則として取引きがあるつど、三条書面を交付しなければなりません。

この三条書面ですが、契約書と別々に交付しなければならないのかといえば、必ずしもそうではありません。

「下請代金支払遅延等防止法第3条に規定する書面に係る参考例」には、以下のような記載があります。

(途中省略)親事業者と下請事業者の間で取り交わされる契約書等の内容が,3条規則で定める事項をすべて網羅している場合には,当該契約書等を3条書面とすることが可能であるので,別に書面を作成する必要はない。

このため、業務委託契約の場合は、業務委託契約書が下請法第3条と下請法三条規則に適合していれば、業務委託契約書を三条書面としても差し支えありません。

また、親事業者は、別途三条書面を作成・交付する必要もありません。

業務委託契約書か取引基本契約書+注文書・注文請書(発注書・受注書)で対処する

実務上、下請法が適用される業務委託契約では、業務委託契約書または取引基本契約書+注文書・注文請書(発注書・受注書)を作成することで対処します。

業務委託契約書を作成して対処するのは、いわゆる「スポット」での取引きのように、1回だけ、または数回程度の取引きの場合です。

取引基本契約書+注文書・注文請書(発注書・受注書)を作成して対処するのは、反復・継続しての取引きの場合です。

三条書面としての契約書の使い方
  • スポット=1回だけの取引:業務委託契約書を使う。
  • 継続的取引:取引基本契約書+注文書・注文請書(発注書・受注書)を使う。

取引基本契約書を使う場合、初回の取引で取引基本契約書を取交し、同時に注文書・注文請書(発注書・受注書)を取交します。

2回目以降の取引きでは、注文書・注文請書(発注書・受注書)のみを取交します。

ちなみに、下請事業者からの注文請書については、下請法上は、必ずしも交付する必要はありません。

下請法では注文請書の交付は不要

下請法では、あくまで親事業者から下請事業者に対する三条書面(≒注文書)の交付が義務づけられているだけであり、下請事業者から親事業者への注文請書の交付は必須ではない。

なお、三条書面と注文書・発注書の関係につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

三条書面(下請法・フリーランス保護法)と注文書・発注書の違いとは?

また、下請法に適合した業務委託契約書につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法が適用される業務委託契約書のポイント―最大で50万円の罰金も?

ポイント
  • 下請法第3条と下請法三条規則に適合していれば、業務委託契約書を三条書面とすることは可能。





「書面の交付」以外の三条書面の交付のしかた

「書面の交付」とはどんな方法?

法的に「書面の交付」といえば、通常は、直接手渡しにするか、または郵送などで送信することを意味します。

このため、三条書面も、手渡しか、または郵送により、親事業者が下請事業者に対して交付しなければなりません。

ただ、いちいち取引きのつど、手渡しや郵送をしていたら、手間がかかります。

そこで、下請法では、電磁的な方法とファックスによる送信による交付も認めています。

書面以外の三条書面の交付の方法=電磁的方法

メール、オンライン、電子契約サービスでの三条書面の交付も可能

書面以外の方法での三条書面の交付=電磁的方法としては、以下の3つの方法が認められています。

イ 書面の交付に代えることができる電磁的方法

下請取引において書面の交付に代えることができる電磁的方法は以下のとおりであり、いずれの方法を用いる場合であっても、下請事業者が電磁的記録を出力して書面を作成できることが必要となる(3条規則第2条)。

○ 電気通信回線を通じて送信し、下請事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイル(以下「下請事業者のファイル」という。)に記録する方法(例えば、電子メール、EDI等)

○ 電気通信回線を通じて下請事業者の閲覧に供し、当該下請事業者のファイルに記録する方法(例えば、ウェブの利用等)

○ 下請事業者に磁気ディスク、CD-ROM等を交付する方法

 

下請代金支払遅延等防止法第3条の書面の記載事項等に関する規則第2条

下請代金支払遅延等防止法第3条の書面の記載事項等に関する規則第2条

1 法第3条第2項の公正取引委員会規則で定める方法は、次に掲げる方法とする。

(1)電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの

イ 親事業者の使用に係る電子計算機と下請事業者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

ロ 親事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された書面に記載すべき事項を電気通信回線を通じて下請事業者の閲覧に供し、当該下請事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該事項を記録する方法(法第3条第2項前段に規定する方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、親事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)

(2)電磁的記録媒体(電磁的記録に係る記録媒体をいう。)をもって調製するファイルに書面に記載すべき事項を記録したものを交付する方法

2 前項に掲げる方法は、下請事業者がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものでなければならない。

3 第1項第1号の「電子情報処理組織」とは、親事業者の使用に係る電子計算機と、下請事業者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

このうちの1つが電子メール等による交付方法です。2つめが、ウェブサイトや電子契約サービスによる交付方法です。

下請事業者の事前の承諾が必須

ただし、上記の3つの電磁的方法による三条書面の交付は、下請事業者の事前の承諾が必須です。

しかも、その承諾についても、細かな条件があります。

下請事業者の事前承諾

電磁的方法による三条書面の交付に必要な下請事業者の事前承諾の条件

ファックスの送信は書面扱い

ファックスでの送信に関しては、「受信と同時に書面により出力されるファックスへ送信する方法は、書面の交付に該当する」となっています(下請取引における電磁的記録の提供に関する留意事項 第1-1-(1)の注1)。

この点について、委託者(注文者)として注意するべき点は、紙出力でないファックスへの送信する場合です。

このような場合は、電磁的方法と同じ扱いとなります。

受信と同時に書面により出力されるファックスへ送信する方法は,書面の交付に該当するが,電磁的記録をファイルに記録する機能を有するファックスに送信する場合には,電磁的方法による提供に該当する(留意事項第 1-1-(1))。

第1 電磁的記録の提供の方法に関する留意事項

1 電磁的記録の提供の方法

下請法第3条第1項の書面の交付に代えて行うことができる電磁的記録の提供の方法は,以下のいずれかの方法であって,下請事業者がファイルへの記録を出力することによって書面を作成することができるものをいう。

(1) 電気通信回線を通じて送信し,下請事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイル(以下「下請事業者のファイル」という。)に記録する方法(例えば,電子メール,取引データをまとめてファイルとして一括送信する方法(EDI等),電磁的記録をファイルに記録する機能を有するファックス等に送信する方法等)

(注1)受信と同時に書面により出力されるファックスへ送信する方法は,書面の交付に該当する。

(注2)電子計算機とは,内部にCPU(中央演算装置)やメモリーを有し,電気通信回線を通じて電磁的記録を受信できるものをいう。

(以下省略)

このため、すでに述べたような、下請事業者からの承諾がない場合は、下請法違反となります。

ポイント

三条書面の交付・提供の方法は、以下の5つ。

  • 書面の交付
  • 紙出力のファックスの送信
  • 電子メールの送信・EDIの利用・オンラインのファックスの送信等
  • ダウンロード可能なウェブサイトの利用等
  • 磁気ディスク・CD-ROMの交付等





三条書面を交付しないと最大で50万円の罰金が個人単位にも科される

親事業者が下請業者に対し三条書面を交付しない場合は、50万円以下の罰金が科されます。

下請法第10条(罰則)

次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした親事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、50万円以下の罰金に処する。

(1)(省略)

(2)第5条の規定による書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又は虚偽の書類若しくは電磁的記録を作成したとき。

ポイントは、親事業者である法人だけに罰金が科されるのではなく、「その違反行為をした親事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者」にも罰金が科される、ということです。

つまり、会社で50万円を払えばいい、というものではないのです。しかも、50万円とはいえ、いわゆる「前科」がつきます。

なお、親事業者である法人にも、罰金は科されます。

下請法第12条(罰則)

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

ポイント
  • 三条書面を交付しないことは犯罪行為。
  • しかも法人だけでなく個人にも罰金が科される。





補足1:三条書面は保存義務や保存期間はない

三条書面には、親事業者・下請事業者ともに、保存義務や保存期間はありません。

そもそも、三条書面は、親事業者から下請事業者に交付する書面ですので、親事業者の手元には残りません。

このため、三条書面を「保存する」こと自体、下請法では想定されていません。

また、下請事業者に交付された三条書面についても、特に下請法では、保存期間は設定されていません。

三条書面の保存期間・保存義務

下請法では、三条書面の保存期間や保存義務はない。

なお、これはあくまで下請法における話であり、別の法律(会社法等)にもとづく場合や、会計証憑として、三条書面(親事業者の場合はその写しや契約書など)の保存義務がある場合もあります。





補足2:製造請負契約での三条書面以外の書面交付義務がある法律は?

なお、三条書面の交付が必要な代表的な契約としては、製造請負契約があります。

このため、製造業では、比較的三条書面の交付義務の存在が知られています。

ただ、製造業の製造請負契約では、下請法の三条書面以外にも、委託者に書面交付義務を課している法律があります。

具体的には、家内労働法や、特定商取引法などです。

これらの法律にもとづく書面交付義務につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

製造請負契約書の作成が義務となる場合は?―下請法・家内労働法・特定商取引法について解説





補足3:三条書面と「五条書類・五条書面」の関係・違いとは?

五条書面・五条書類とは?

なお、三条書面に似たようなものに、「五条書類・五条書面」があります。

これは、親事業者が作成して2年間保存しなければならない書類・書面です。

下請法第5条(書類等の作成及び保存)

親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、公正取引委員会規則で定めるところにより、下請事業者の給付、給付の受領(役務提供委託をした場合にあつては、下請事業者がした役務を提供する行為の実施)、下請代金の支払その他の事項について記載し又は記録した書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成し、これを保存しなければならない。

【意味・定義】五条書類・五条書面とは?

五条書類(書面)とは、下請法第5条にもとづき、親事業者が、作成し、保存しなければならない書類。

五条書類・五条書面につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法の五条書類・五条書面とは?契約書と兼ねる17の必須事項とは?

三条書面と五条書類・五条書面との違いは?

また、三条書面と五条書類・五条書面には、以下の違いがあります。

三条書面と5条書面の違い一覧表
三条書面五条書面
当事者親事業者が作成、下請事業者が交付を受ける親事業者が作成し保存する
記載事項12項目17項目
保存期間下請法上は特に規定なし2年間
電磁的方法下請事業者の承諾が必要条件を満たせば可能(下請事業者の承諾は不要)

これらの三条書面と五条書類・五条書面の違いの詳細につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

下請法の三条書面と五条書類(書面)との違いは?契約書と兼用する方法も解説





補足4:三条書面と注文書・発注書の関係

三条書面と注文書・発注書は、ともに契約の内容を通知する書面である点で共通しています。

他方で、三条書面と注文書・発注書は、下請法第3条にもとづき交付される通知の書面(三条書面)であるか、または契約の申込みの意思表示を証する書面(注文書・発注書)、つまり民事上の効果の有無に違いがあります。

三条書面と注文書・発注書の違い

三条書面と注文書・発注書は、下請法第3条にもとづき交付される通知の書面(三条書面)であるか、または契約の申込みの意思表示を証する書面(注文書・発注書)=民事上の効果がある書面であるかの点。ただし、実務上は同様となるように運用がされることが多い。

この他、三条書面と注文書・発注書の関係につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

三条書面(下請法・フリーランス保護法)と注文書・発注書の違いとは?





三条書面に関するよくある質問

三条書面とは何ですか?
三条書面とは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第3条に規定された、親事業者が下請事業者対し交付しなければならない書面のことです。
三条書面の必須記載事項は何ですか?
三条書面には、以下の12の内容を記載しなければなりません。

  • 親事業者及び下請事業者の名称(番号,記号等による記載も可)
  • 製造委託,修理委託,情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
  • 下請事業者の給付の内容
  • 下請事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は,役務が提供される期日又は期間)
  • 下請事業者の給付を受領する場所
  • 下請事業者の給付の内容について検査をする場合は,検査を完了する期日
  • 下請代金の額(算定方法による記載も可)
  • 下請代金の支払期日
  • 手形を交付する場合は,手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期
  • 一括決済方式で支払う場合は,金融機関名,貸付け又は支払可能額,親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
  • 電子記録債権で支払う場合は,電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日
  • 原材料等を有償支給する場合は,品名,数量,対価,引渡しの期日,決済期日及び決済方法

いずれも、企業間取引の契約内容としては基本的なものであり、記載して当然の内容となっています。

三条書面には保存義務や保存期間はありますか?
下請法では、三条書面には、特に保存義務や保存期間はありません。ただし、他の法律や会計証憑として保存義務が課される場合があります。
契約書を三条書面とすることはできますか。
必須記載事項をすべて記載していれば、契約書を三条書面とすることができます。
「書面の交付」以外に三条書面の交付方法はありますか?
「書面の交付」では、FAXの送信、電子メールの送信、ウェブサービスや電子契約サービスの利用、CD-ROM等の交付の方法があります。
三条書面の不交付は、どのような罰則が科されますか?
三条書面の不交付は、50万円以下の罰金が科されます。しかも、法人だけでなく、担当者のレベルまで罰金が科されます。