このページでは、業務委託の委託者・受託者双方の方々に向けて、委任契約・準委任契約の意味・定義と、請負契約、業務委託契約などの違いや関係など、基本的な内容・注意点について記載しています。

委任契約とは、法律行為(契約を結ぶことなど)の委託の契約です。また、準委任契約とは、法律行為以外の行為の委託の契約です。

「(準)委任契約と業務委託契約の違いがよくわからない…」と思ったことはないでしょうか。

それもそのはずで、(準)委任契約は民法に規定された契約ですが、実は、業務委託契約は、民法にも他の法律にも規定されていません。

このように、業務委託契約の定義がはっきりと決まっていないからこそ、(準)委任契約との違いもはっきりとしないのです。

このページでは、こうした委任契約・準委任契約や委任・準委任型の業務委託契約の基本や注意点について、開業20年・400社以上の取引実績がある管理人が、わかりやすく解説していきます。




委任契約(読み方:いにんけいやく)とは

【特徴】委任契約は法律行為の委託契約

委任契約は、民法では、以下のように規定されています。

民法第643条(委任)

委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

【意味・定義】委任契約とは?

委任契約とは、委任者が、受任者に対し、法律行為をすることを委託し、受任者がこれ受託する契約をいう。

法律行為とは、行為者が法律上の一定の効果を生じさせようと意図して意思の表示(=意思表示)をおこない、意図したとおりに結果が生じる行為のことです。

【意味・定義】法律行為とは?

法律行為とは、行為者が法律上の一定の効果を生じさせようと意図して意思の表示(=意思表示)をおこない、意図したとおりに結果が生じる行為をいう。

学術的な用語で、非常にわかりづらいですが、わかりやすい具体例としては、「契約を結ぶこと」が、法律行為のひとつの例です。

委任契約の代表例・具体例

委任契約の代表例や具体例には、以下のものがあります。

委任契約の代表例・具体例一覧リスト
  • 弁護士との訴訟代理契約
  • 税理士との税務業務委託契約
  • 不動産業者との不動産売買媒介契約、不動産賃貸媒介契約
  • 会社と役員との委任契約
  • 代理店契約(契約の締結を含む代理権があるもの)

このように、企業間取引における委任契約は、何らかの手続きの代行や代理の契約が多いです。成果物の納入の有無は、契約内容によります。

これらは、あくまでも代表的な例であり、実際のビジネスの現場では、様々な委任契約が締結されています。

ポイント
  • 委任契約は、法律行為の委託契約。
  • 企業間取引における委任契約は、なんらかの手続きの代行や代理の契約が多い。




準委任契約(読み方:じゅんいにんけいやく)とは

【特徴】準委任契約は事務の委託契約

準委任契約は、民法では、以下のように規定されています。

民法第656条(準委任)

この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

【意味・定義】準委任契約とは?

準委任契約とは、委任者が、受任者に対し、法律行為でない事務をすることを委託し、受任者がこれ受託する契約をいう。

ここでいう「事務」というのは、一般的な用語としての事務(例:事務を執る、事務所、事務職など)ではなく、もっと広い概念です。

民法上は定義がありませんが、作業、助言、企画、知識・技芸の教授など、「法律行為でない行為」が該当すると考えて差し支えないでしょう。

ちなみに、「準用」とは、ある法律の規定を、必要な修正・変更をしたうえで、類似した別の規定に当てはめることをいいます。

【意味・定義】準用とは?

準用とは、ある法律の規定を、必要な修正・変更をしたうえで、類似した別の規定に当てはめることをいう。

契約実務においては、法律の条文だけでなく、契約条項としても、「準用する」場合があります。

準委任契約の代表例・具体例

準委任契約の代表例や具体例には、以下のものがあります。

準委任契約の代表例・具体例一覧
  • 医師や医療機関との医療行為準委任契約(企業間取引としては産業医嘱託契約など)
  • アジャイル開発のシステム等開発委託契約
  • システムエンジニアリングサービス契約(SES契約)
  • 経営コンサルティング契約

このように、企業間取引における準委任契約は、継続的な契約が多いです。成果物の納入の有無は、契約内容によります。

なお、これらは、あくまでも代表的な例であり、実際のビジネスの現場では、様々な準委任契約が締結されています。

ポイント
  • 準委任契約は、事務の委託契約。
  • 企業間取引における準委任契約は、継続的な契約が多い。




(準)委任契約の性質・概要

(準)委任契約の契約上の性質は、以下のとおりです。

(準)委任契約の性質
典型契約・非典型契約(準)委任契約は、民法第643条に規定する典型契約です。
双務契約・片務契約(準)委任契約は、原則として、受任者のみが債務を負担すうる片務契約です。ただし、企業間取引としての(準)委任契約は、商法第512条により、委任者・受任者ともに債務を負担する双務契約です。
有償契約・無償契約(準)委任契約は、原則として、無報酬(民法第648条)となる無償契約です。ただし、企業間取引としての(準)委任契約は、商法第512条により、有報酬となる有償契約です。
諾成契約・要物契約(準)委任契約は、当事者の合意のみで成立する諾成契約です。
要式契約・不要式契約(準)委任契約は、契約の成立に特定の方式を必要としない不要式契約です。ただし、成立には必要でないものの、一部の法律(下請法第3条等)書面の交付義務がある場合があります。




(準)委任契約と請負契約の違い

(準)委任契約=過程の責任、請負契約=結果の責任

(準)委任契約に似たような契約に、請負契約があります。

【意味・定義】請負契約とは?

請負契約とは、請負人(受託者)が仕事の完成を約束し、注文者(委託者)が、その仕事の対価として、報酬を支払うことを約束する契約をいう。

(準)委任契約と請負契約の主な違いは、(準)委任契約が行為そのもの=過程に対する責任が発生する契約であるのに対し、請負契約が仕事の完成=結果に対する責任が発生する契約である点です。

請負契約と(準)委任契約の主な違い
  • (準)委任契約は行為そのもの=過程に対する責任が発生する。
  • 請負契約は仕事の完成=結果に対する責任が発生する。

(準)委任契約と請負契約の13の違い一覧表

この他、(準)委任契約と請負契約とは、以下の13の点で違いがあります。

請負契約と(準)委任契約の違い
請負契約(準)委任契約
業務内容・報酬請求の根拠仕事の完成法律行為・法律行為以外の事務などの一定の作業・行為の実施
受託者の業務の責任仕事の結果に対する責任
(完成義務・契約不適合責任)
仕事の過程に対する責任
(善管注意義務)
報告義務なしあり
業務の実施による成果物原則として発生する(発生しない場合もある)原則として発生しない(発生する場合もある)
業務の実施に要する費用負担受託者の負担委託者の負担
受託者による再委託できるできない
再委託先の責任受託者が負う原則として受託者が直接負う
(一部例外として再委託先が直接負う)
委託者の契約解除権仕事が完成するまでは、いつでも損害を賠償して契約解除ができるいつでも契約解除ができる。ただし、次のいずれかの場合は、損害賠償責任が発生する

  1. 受託者の不利な時期に契約解除をしたとき
  2. 委託者が受託者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき
受託者の契約解除権委託者が破産手続開始の決定を受けたときは、契約解除ができるいつでも契約解除ができる。ただし、委託者の不利な時期に契約解除をしたときは損害賠償責任が発生する
収入印紙必要(1号文書、2号文書、7号文書に該当する可能性あり)原則として不要(ただし、1号文書、7号文書に該当する可能性あり)
下請法違反のリスク高い高い
労働者派遣法違反=偽装請負のリスク低い(ただし常駐型は高い)高い(常駐型は特に高い)
労働法違反のリスク低い高い

これらの点の詳しい解説につきましては、以下のページをご覧ください。

【改正民法対応版】請負契約と(準)委任契約の13の違い

補足:準委任契約と業務委託契約の違いは?

準委任契約と業務委託契約は、同じであることもあれば、まったく違うこともあります。

というのも、実は業務委託契約は、法律上の定義がない契約です。その実態は、ほとんどが準委任契約か請負契約です。

業務委託契約は、一般的には、次の意味で使われています。

【意味・定義】業務委託契約とは?

業務委託契約とは、企業間取引の一種で、ある事業者が、相手方の事業者に対して、自社の業務の一部または全部を委託し、相手方がこれを受託する契約をいう。

このように、「業務委託契約」には法律的に正確な定義がないため、(準)委任契約と業務委託契約の違いは、ある場合もあれば、ない場合もあります。

例えば、準委任契約と準委任契約である業務委託契約とは、当然ながら違いはありません。

また、準委任契約と請負契約である業務委託契約とは、すでに述べた違いがあります。

なお、業務委託契約の解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

【2022年最新版】業務委託契約書とは?書き方・注意点についてわかりやすく解説

ポイント
  • (準)委任契約=過程の責任、請負契約=結果の責任
  • (準)委任契約と請負契約とでは、13もの違いがある。これらの違いを意識して、業務委託契約書を作成する。
  • (準)委任契約と業務委託契約の違いは、ある場合もあれば、ない場合もある。




(準)委任契約である業務委託契約の7つのポイント

業務委託契約が委任契約・準委任契約に該当するは、次の7つのポイントを押さえておく必要があります。

委任契約・準委任契約の7つのポイント
  • 【ポイント1】(準)委任契約は「何らかの行為」の委託・提供を目的とした契約
  • 【ポイント2】主にサービスの提供を目的とする場合が多い
  • 【ポイント3】委任契約ではなく準委任契約の業務委託契約がほとんど
  • 【ポイント4】物品・知的財産の「納入」がある(準)委任契約もある
  • 【ポイント5】(準)委任契約は仕事の結果は問題とはならない
  • 【ポイント6】(準)委任契約は契約の過程で善管注意義務を怠ると責任が発生する
  • 【ポイント7】(準)委任契約は信頼関係が成り立っていることが大前提

以下、それぞれ、詳しく解説します。

【ポイント1】(準)委任契約は「何らかの行為」の委託・提供を目的とした契約

委任契約は、「法律行為」の委託の契約であり、準委任契約は、法律行為以外の「事務」の委託の契約です。

委任契約も、準委任契約も、法律行為か法律行為でないかの違いはあっても、「一定の行為の委託」を目的とした契約です。

(準)委任契約の特徴は、「行為そのものが目的の契約」である、という点です。

この点から、(準)委任契約の受託者(受任者)は、「行為そのもの=仕事の過程」には責任を負いますが、行為によって生じた結果に対しては、責任を負う必要はありません。

(準)委任契約は行為=仕事の過程に責任を負う契約

(準)委任契約は、行為そのものを目的とした契約。このため、行為そのもの=仕事の”過程”について責任が発生するが、仕事の”結果”には責任が発生しない。

【ポイント2】主にサービスの提供を目的とする場合が多い

委託者(委任者)に代わって意思表示をする委任契約

委任契約の具体的な例としては、弁護士との訴訟代理契約、税理士との税務業務委託契約などがあります。

また、不動産業者との不動産の売買・賃貸の媒介契約なども委任契約の一種です。

委任契約の代表例・具体例
  • 弁護士との訴訟代理契約
  • 税理士との税務業務委託契約
  • 不動産業者との不動産売買媒介契約、不動産賃貸媒介契約
  • 会社と役員との委任契約

これらの契約は、裁判所・税務署・不動産売買や賃貸の相手方に対して、受託者(受任者)が委託者(委任者)に代わって意思表示をして、その結果が委託者(委任者)に帰属します。

すでに述べたとおり、委任契約では、受託者(受任者)は、結果責任を負いません。

ですから、例えば、弁護士との訴訟代理契約では、結果として訴訟で敗訴することもあります。

この際、成果報酬の特約でもない限り、委託者(委任者)は、受託者(受任者)である弁護士に対して、弁護士報酬を支払わなければなりません。

ちなみに、会社と会社の役員との契約は、委任契約です。

委託者(委任者)に対して一定の行為を提供する準委任契約

これに対して、準委任契約の具体的な例としては、医師と患者との医療行為・診療行為の契約が該当します。

準委任契約の代表例・具体例
  • 医師や医療機関との医療行為準委任契約
  • 医師や医療機関との産業医嘱託契約

医師は、患者に対して、医療行為・診療行為を提供し、その対価として、診療報酬を受け取ります。

準委任契約でも、受託者(受任者)は、結果責任を負いません。

ですから、例えば、医療行為・診療行為の契約にもとづき、医師が最善を尽くして治療をしたとしても、結果として、患者が亡くなることもあります。

このような場合であっても、医師は、診療報酬を受取る権利があります。

もちろん、治療に最善を尽くさず、医療行為・診療行為に重大な過失があった場合は、医療過誤として、責任を負うことになります。

企業間取引での知識・技能・作業の提供は準委任契約

この他、企業間取引で準委任型の業務委託契約では、コンサルタントによる経営コンサルティング契約なども該当します。

これは、経営コンサルタントから、知識・技能(ときには作業)を提供してもらう準委任契約です。

また、ソフトウェア(プログラム、システム、アプリ等)開発の業務委託契約も、ソフトウェアの完成を目的とせず、コーディングなどの作業の提供を目的とした契約であれば、準委任型の業務委託契約といえます。

建設工事の契約も同様に、工事の完成を目的としているのではなく、建設工事での作業の提供を目的としている場合は、請負契約ではなく準委任契約です。

企業間取引における準委任契約
  • 経営コンサルタントとの経営コンサルティング契約
  • IT開発会社とのソフトウェア(プログラム、システム、アプリ等)開発業務委託契約(いわゆるアジャイル開発契約を含む)
  • (主に)一人親方等との建設工事準委任契約

※いずれも、契約形態によっては請負契約とすることもできる。

【ポイント3】委任契約ではなく準委任契約の業務委託契約がほとんど

契約実務の現場では、委任契約である業務委託契約は実はほとんどなく、準委任契約である業務委託契約がほとんどです。

委任契約は、外部の第三者に対し、なんらかの意思を表示する契約です。

企業間取引では、第三者である受託者(受任者)に対し、委託者(委任者)が自らの意思決定の権限を与える契約は、滅多にありません。

このため、業務委託契約では、なんらかの知識・技能・作業などのサービスの提供があるタイプの契約、つまり準委任契約がほとんどです。

【ポイント4】物品・知的財産の「納入」がある(準)委任契約もある

一般的な(準)委任契約では、サービスという形が残らないものを提供してもらうことがほとんどです。

ただ、サービスの提供しかたによっては、結果として、何からの物品や知的財産の納入があることがあります。

例えば、準委任型のソフトウェア(プログラム、システム、アプリ等)開発の業務委託契約では、(納入方法はさまざまですが)各種コードの納入があります。

そして、納入された各種コードについて、知的財産権の処理(一般的には譲渡か使用許諾のいずれか)をします。

このように、(準)委任契約であっても、なんらか成果物の納入がある場合もあります。

逆にいえば、何かが納入されるからといって、必ず請負契約(あるいは売買契約)であるとは限らない、ということです。

「(準)委任契約=納入がない」は間違い

(準)委任契約だからといって、必ず納入がないわかではない。同様に、請負契約だからといって、必ず納入があるわけではない。

【ポイント5】(準)委任契約は仕事の結果そのものは問題とはならない

すでに述べたとおり、(準)委任契約では、受託者(受任者)は、自らの行為の結果そのものに対しては、責任を負いません。

(準)委任契約では、契約の過程において問題がなければ、受託者(受任者)は、責任を負うことはありません。

逆に言えば、契約の過程に問題があれば、いわゆる善管注意義務違反となり、債務不履行、いわゆる契約違反となります(次項参照)。

つまり、契約の過程に問題があれば、その問題によって生じた結果については、責任を負わなければなりません。

【ポイント6】(準)委任契約は契約の過程で善管注意義務を怠ると責任が発生する

【意味・定義】善管注意義務とは

民法では、善管注意義務は、次のように規定されています。

民法第651条(委任の解除)

1 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。

2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

(1)相手方に不利な時期に委任を解除したとき。

(2)委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。

ここでいう「善良な管理者の注意…の義務」を省略したのが、善管注意義務です。

【意味・定義】善管注意義務とは?

善管注意義務とは、行為者の階層、地位、職業に応じて、社会通念上、客観的・一般的に要求される注意を払う義務をいう。

善管注意義務には客観的な基準があるわけではない

善管注意義務は、非常に抽象的な概念で、法律で決まった客観的な基準があるわけではありません。

このため、業務委託契約においても、受託者(受任者)が、善管注意義務に違反しているかどうかは、極端な話、裁判を起こしてみないとわかりません。

この点から、(準)委任型の業務委託契約では、委託者(委任者)にとって、受託者(受任者)の責任が追求しにくい、という特徴があります。

これは、言いかえれば、客観的な基準がある業務委託契約の場合は、善管注意義務違反を追求しやすいということです。

例えば、税理士との税務業務委託契約のように、委託業務のミス(誤った会計処理・税務申告など)がわかりやすい業務委託契約では、委託者(委任者)は、受託者(受任者)に対して、善管注意義務違反があったものとして、責任を追求できます。

このほか、善管注意義務につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

【改正民法対応】準委任型業務委託契約における善管注意義務とは?定義・具体例と5つのポイントもわかりやすく解説

【ポイント7】(準)委任契約は信頼関係が成り立っていることが大前提

一般的に、どのような契約であれ、契約を結ぶ際には、契約当事者間に信頼関係が成り立っている場合がほとんどです。

ただ、お互いに相手方のことを信頼していない関係であっても、契約の内容そのものに影響を与えることは、あまりありません。

これに対して、(準)委任契約は、お互いに相手方のことを信頼していることが前提の契約です。

(準)委任契約では、当事者間の信頼が前提となっている契約内容が多数あります。

例えば、原則として無報酬であること(民法第648条)、無報酬であっても善管注意義務があること(民法第644条)、いつでも契約解除ができること(民法第651条第1項)などの規定です。

ポイント
  • (準)委任契約は、契約当事者の信頼関係が基本となる契約。
  • 通常は、なんらかの行為の提供がある契約だが、成果物の納入がある場合もある。
  • (準)委任契約は、行為そのもの責任(善管注意義務)が問われる。
  • 請負契約とは違って、「行為の結果」の責任は問われない。




(準)委任契約の受任者の義務・責任・権利

(準)委任契約の受任者には、以下の5つの義務・責任があります。

(準)委任契約における受任者の5つの義務・責任
  • 【義務・責任1】受任した法律行為・事務に着手する義務
  • 【義務・責任2】期限(納期)・期日・期間に受任した法律行為・事務を実施する義務
  • 【義務・責任3】受託者(受任者)自身が委託業務を実施する義務
  • 【義務・責任4】善管注意義務
  • 【義務・責任5】報告義務

他方で、(準)委任契約の受任者には、以下の4つの権利があります。

(準)委任契約における受任者の4つの権利
  • 【権利1】報酬の請求権
  • 【権利2】費用の請求権
  • 【権利3】委託業務の実施に伴う損害の賠償請求権
  • 【権利4】中途解約権・契約解除権

これらの(準)委任契約の受任者の義務・責任・権利の解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

【改正民法対応】委任契約・準委任契約における受任者の義務・責任と権利とは?




(準)委任契約における委任者の責任・義務・権利

(準)委任契約の委任者には、以下の3つの責任・義務があります。

(準)委任契約における委任者の3つの責任・義務
  • 【義務・責任1】報酬の支払い義務
  • 【義務・責任2】費用の支払い義務
  • 【義務・責任3】委託業務の実施に伴い受託者(受任者)に発生した損害の賠償責任

これに対し、(準)委任契約の委任者には、以下の3つの権利があります。

(準)委任契約における委託者(委任者)の3つの権利
  • 【権利1】「委託業務の実施」を請求できる権利
  • 【権利2】報告の請求権
  • 【権利3】契約解除権・中途解約権

これらの(準)委任契約の受任者の義務・責任・権利の解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

【改正民法対応】委任契約・準委任契約における委任者の義務・責任と権利とは?




(準)委任型の業務委託契約で重要な11の条項とポイント

(準)委任型の業務委託契約書を作成する場合、次の11の条項が重要となります。

(準)委任契約型の業務委託契約で重要な11の条項
1.業務内容業務内容の条項は、委任者が受任者に対し発注する、仕事=業務の内容について規定する条項です。(準)委任契約においては、最も重要な条項のひとつです。
2.受発注の手続き受発注の手続きは、反復継続する(準)委任契約、いわゆる請負取引基本契約にいおいて規定する、個々の個別契約の受発注に関する手続きを規定する条項です。
3.納入期限・納入期日または提供期日・提供期間納入期限・納入期日の条項では、なんらかの納入物を納入する(準)委任契約において、その納入の期限または期日を規定する条項です。
提供期日・提供期限の条項では、なんらかの役務=サービスを提供する(準)委任契約において、その役務の提供の期日または期限を規定する条項です。
4.納入場所・業務実施の場所納入場所の条項では、なんらかの納入物を納入する(準)委任契約において、その納入の場所を規定する条項です。
提供場所の条項では、なんらかの役務=サービスを提供する(準)委任契約において、その役務の提供の場所を規定する条項です。
5.検査(検査項目・検査方法・検査基準)検査の条項は、検査を実施する際の検査項目、各検査項目の検査の方法、検査結果の合否の判定基準(検査基準)、を規定する条項です。
6.検査期限・検査手続検査期限の条項は、委託者による検査を実施する期間または期限と、検査の合否に関する手続きを規定します。
7.報酬・料金・委託料報酬・料金・委託料の金額・計算方法の条項は、具体的な数字や計算方法により、報酬・料金・委託料を規定する条項です。
8.費用負担費用負担の条項は、委託業務の実施に伴って発生する費用について、委任者・受任者のどちらが負担するのかを規定する条項です。
9.成果物の著作権の処理(譲渡または使用許諾)成果物の著作権の取扱いの条項は、著作権が発生する請負契約における、著作権の譲渡または使用許諾について規定する条項です。
11.契約解除・中途解約契約解除・中途解約の条項は、無催告解除・催告解除に該当する契約解除事由を規定する条項です。

これらの11の条項とポイントにつきましては、以下のページでまとめていますので、ご覧ください。

(準)委任契約型の業務委託契約で重要な11の条項

ポイント

(準)委任型の業務委託契約では、少なくとも11の重要な条項について検討し、業務委託契約書を作成する。




(準)委任契約である業務委託契約書は収入印紙が必要?金額は?

(準)委任契約は原則として非課税文書

(準)委任契約書は、印紙税法の課税物件としては規定されていません。

ですから、原則としては、(準)委任契約書には、収入印紙を貼る必要はありませんし、金額はもちろん0円です。

ただし、例外として、継続的な「売買の委託」や「売買の業務」の(準)委任契約書は、7号文書に該当する可能性があります。

このため、いわゆる物品に関する「代理店契約書」の場合は、注意が必要です。

7号文書の場合は4,000円・1号文書の場合は無体財産権の譲渡対価に応じて

また、著作権などの無体財産権の譲渡がある(準)委任契約書の場合は、1号文書に該当する可能性もあります。

7号文書の場合は印紙税が4,000円発生します。

また、1号文書の場合は、印紙税が無体財産権の対価に応じて発生します。

この点につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

(準)委任契約書にはいくらの収入印紙を貼るの?印紙税はいくら?

ポイント

(準)委任契約書は原則として不課税文書であり、収入印紙・印紙税は不要。ただし、例外として、7号文書や1号文書に該当する可能性がある。




(準)委任契約と請負契約との13の違い

(準)委任契約と似たような契約に、請負契約があります。ただ、(準)委任契約と請負契約とは、以下の13の点で違いがあります。

請負契約と(準)委任契約の違い
請負契約(準)委任契約
業務内容・報酬請求の根拠仕事の完成法律行為・法律行為以外の事務などの一定の作業・行為の実施
受託者の業務の責任仕事の結果に対する責任
(完成義務・契約不適合責任)
仕事の過程に対する責任
(善管注意義務)
報告義務なしあり
業務の実施による成果物原則として発生する(発生しない場合もある)原則として発生しない(発生する場合もある)
業務の実施に要する費用負担受託者の負担委託者の負担
受託者による再委託できるできない
再委託先の責任受託者が負う原則として受託者が直接負う
(一部例外として再委託先が直接負う)
委託者の契約解除権仕事が完成するまでは、いつでも損害を賠償して契約解除ができるいつでも契約解除ができる。ただし、次のいずれかの場合は、損害賠償責任が発生する

  1. 受託者の不利な時期に契約解除をしたとき
  2. 委託者が受託者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき
受託者の契約解除権委託者が破産手続開始の決定を受けたときは、契約解除ができるいつでも契約解除ができる。ただし、委託者の不利な時期に契約解除をしたときは損害賠償責任が発生する
収入印紙必要(1号文書、2号文書、7号文書に該当する可能性あり)原則として不要(ただし、1号文書、7号文書に該当する可能性あり)
下請法違反のリスク高い高い
労働者派遣法違反=偽装請負のリスク低い(ただし常駐型は高い)高い(常駐型は特に高い)
労働法違反のリスク低い高い
これらの点の詳しい解説につきましては、以下のページをご覧ください。

【改正民法対応版】請負契約と(準)委任契約の13の違い

ポイント

(準)委任契約と請負契約とでは、13もの違いがある。これらの違いを意識して、業務委託契約書を作成する。




準委任契約は下請法の適用対象となる?

準委任契約は、下請法の規制対象となり得ます。

下請法では、規制対象となる業務内容について、特に契約形態を限定してはいません。

このため、下請法において規制対象となる「製造委託等」、つまり製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託のいずれかに該当した場合は、下請法の規制対象となり得ます。

準委任契約が下請法の適用対象となるかどうかにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

準委任契約は下請法の適用対象となりますか?




委任契約・準委任契約に関するよくある質問

委任契約とは何ですか?
委任契約とは、委任者が、受任者に対し、法律行為をすることを委託し、受任者がこれ受託する契約のことです。ここでいう法律行為には、契約を締結することなども含まれます。
準委任契約とは何ですか?
準委任契約とは、委任者が、受任者に対し、法律行為でない事務をすることを委託し、受任者がこれ受託する契約のことです。ここでいう事務とは、単なる事務作業だけでなく、作業、助言、企画、知識・技芸の教授なども含まれます。
委任契約の具体例には、どのようなものがありますか?
委任契約の具体例としては、弁護士との訴訟代理契約、税理士との税務業務委託契約、不動産業者との不動産売買媒介契約、不動産賃貸媒介契約、会社と役員との委任契約、代理店契約(契約の締結を含む代理権があるもの)などがあります。
準委任契約の具体例には、どのようなものがありますか?
医師や医療機関との医療行為準委任契約(企業間取引としては産業医嘱託契約など)、アジャイル開発のシステム等開発委託契約、システムエンジニアリングサービス契約(SES契約)、経営コンサルティング契約などがあります。
委任契約・準委任契約と業務委託契約との違いはどのようなものですか?
委任契約・準委任契約と業務委託契約との違いは、ある場合とない場合があります。業務委託契約は法律で定義づけられていませんので、委任契約・準委任契約との厳密な違いは、場合によります。
委任契約・準委任契約の義務には、どのようなものがありますか。
委任契約・準委任契約の委任者には、報酬の支払い義務、費用の支払い義務、委託業務の実施に伴い受託者(受任者)に発生した損害の賠償責任の3つの義務・責任があります。詳しくは、【改正民法対応】委任契約・準委任契約における委任者の義務・責任と権利とは?をご参照ください。
また、委任契約・準委任契約の受任者には、受任した法律行為・事務に着手する義務、期限(納期)・期日・期間に受任した法律行為・事務を実施する義務、受託者(受任者)自身が委託業務を実施する義務、善管注意義務、報告義務の5つの義務・責任があります。詳しくは、【改正民法対応】委任契約・準委任契約における受任者の義務・責任と権利とは?をご参照ください。
委任契約・準委任契約には契約書の作成義務はありますか?
委任契約・準委任契約は、当事者の合意のみで成立する諾成契約であり、 契約の成立に特定の方式を必要としない不要式契約です。このため、委任契約・準委任契約は、原則として、契約書の作成義務はありません。ただし、下請法等の法律により、書面の作成義務が課される場合もあります。
委任契約・準委任契約はいつでも解約できるのでしょうか?
委任契約・準委任契約は、民法第651条により、委任者・受任者の双方が、いつでも解約ができます。ただし、その解約により、損害賠償責任が発生する場合もあります。
委任契約・準委任契約の性質は?
委任契約・準委任契約は、典型契約、片務契約(企業間取引の場合は原則として双務契約)、無償契約(企業間取引の場合は原則として有償契約)、諾成契約、不要式契約です。




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